⚠️ネタバレありです。
「箱の男」都会・作
結構前に、Xで話題になってたのをちょい読み。
続きがすんごく気になってたけど、Amazonとかでは配信しておらず…、
掲載されてるサイトがあったけど、広告が出たりしてどうしても読めなくて…
今回、Amazonで提供が始まっていたのを今更知って、購入してみました!
あらすじ
主人公、由美子は平凡な女の子。
優しいママと、いつも箱の中にいるパパとくらしている。
パパは箱から決して出てこず、食事やトイレも箱の中。
少し他の家とは違うけれど、由美子は優しいパパが大好き。
しかし成長するにつれ、自分の家庭の不自然さ、異常さを嫌でも意識する由美子。
年相応の不満や嫌悪感を募らせていく。
箱の中のパパと、淡々とパパの世話をするママ。
そんな両親を疎ましく感じつつも、日々を過ごす由美子。
そんなある日、ふとしたきっかけで、父親に関するある事実を知ることになり…
以上が、中盤位までのストーリーです。
初読の感想
面白かったです。
父親が箱に入った家族の日常という、シンプルだけどインパクトのある出だしで一気に引きこまれ、ラストまでガーッと読んでしまいました。
序盤〜中盤までは何故か箱の中にいる男、というたった一つのクエスチョンの正解を求めてひたすら読み進む。
中盤途中から過去回想に突入。「箱の男」の真実が明らかになります。
回想の途中で色々察するんですけど。
登場人物の狂気や、冒頭の家庭環境が出来上がる過程の異様さに手が止まらず。
後半、事実を知った由美子、そして「箱の男」の選択。
不都合な現実から(物理的に)目を背け、歪な日常を送り続ける家族の結末を知るため、ひたすらページをめくり続ける…。
そんな物語でした。
要するに読み出したら離脱が難しいこと必死なので、なるべく時間に余裕がある時がオススメです
個人的に印象的だったところ
咀嚼音キモいとか、母の日記の伏線とか、細かいポイントが色々あって、列挙するとキリがないんですけど
- まともすぎる彼氏の反応
家を出たがる由美子に理由を尋ねる彼氏。
「絶対引かないから!!」
と固く宣言して、箱の秘密をおしえてもらうシーン。
実際箱の写真を見せられてゴリッゴリに引いてるのが面白かったです。
いや普通そうなるよ
ある意味で不誠実なんだけど全く責められないというか、むしろ人として真っ当すぎて癒される不思議…
あまりに引いてるので、その後フェードアウトするかと思ったけど、そんなことなくて良かったです。
口には出さずに由美子を傷つけないようにしてるし、彼なりに気を遣っていて、この話の中で救いになる存在でしたね。
- 「お好み焼きの焦げの部分」
この表現には色々な感情を持ちました。ある意味、お父さんが初めて外に出てきたときよりも衝撃。
私も「それ」を初めて見た時、「なんかの焦げ残り」という印象を持ったんですけど。
それはでも漫画の絵として見てるからそう見えるのかな、とも思えたんですよね。
でも由美子も同じような表現を使っていて、
ああ、やっぱり実際に「焦げた何か」にしか見えないんだな…
って思ってしまい…なんとも言えない気持ちになりました。
個人的なツッコミどころ
初読の時は矛盾とか考える余裕もなく読み下したんですが、時間が経つといくつかアレ?となる部分がないでも無かったです.
- 箱から見える手
終盤に外に出てきたパパは、焦げたお好み焼きみたいになってたわけですが。
箱の穴から出てくる手は直前まで普通の手だったと思うのですが…
そこあんまり突っ込んじゃダメなんかな?
こじつけるなら、現実を直視しない母と由美子には普通の手に見えていたものが、そのまま読者にも見せられていたのかな、と…。
余計なことだけど、もしドラマ化とかする場合に、この辺どんな感じにやるのが良いかなあとか考えてしまいました。
気が早すぎるけど、もし映像化するなら色々膨らませて連ドラでもいけると思う!
- 由美子の年齢
保育園児の由美子が保護?された年齢がよくわからないんですけど、会話ができてたから、少なくとも3歳以上だと思うんですよね。
その年齢なら、記憶も残ってそうに思うんですけど。箱との生活が始まってから事実が判明するまで、フラッシュバックとかも無くすっぱり忘れてるのが少し違和感。
虐待者が視覚的に居なくなって、さらに嫌な記憶でもあったから、無意識に封印しちゃったのかな?
もしかして、マインドコントロールが得意技になってしまったママに記憶操作されてたり…なんてね…
?
- あんまり好みじゃないラスト
これはツッコミというより、私が理解できてないってだけなんですけど。
元夫の唐突なサイコっぽい描写がちょっとしっくりこなかったです。
ポジティブに終わったかと思ったら、ひっそり存在する狂気…みたいな、B級映画のラストみたいなノリを感じたんですけど。ラストの雰囲気作りのための性格豹変のように見えてあんまり…。
結果としてチープな締めに感じてしまいました。
あんまり好きなタイプの締めでは無かったかな
好きな人には申し訳ないです!
補足
他の方が書いてる、元夫についての考察を読ませてもらいました。
元夫には自分の作品が認められないジレンマがあったってことなんですね。
妊娠中の元奥さんに作った箱を否定されたり、「日本より海外の方が」〜の下りが伏線だということかあ。
なんか少し納得できました。
総評
最初から最後まで、一気読み必死のサスペンスホラー。
シンプルな絵が、キャラの心理面に対する想像を掻き立てます。
ラストのラストだけは個人的に残念…。
それ以外は総じて面白かったです!
上手く膨らませて映像化したら面白いと思うのですが、期待して待っています
ここまで読んで下さり、ありがとうございます
