(要約)
穴穂御子、根臣に命じる、
「若日下王を我が弟大長谷王子(後の雄略天皇)の后にしたいので、ついては、若日下王の兄大日下王に若日下王を大王家に献上させよと伝へよ」
大命を賜つた大日下王、
「其のやうな大命もあらうかと、何処にも嫁がせず大事に家に置ひておゐた
「是恐(かしこ)し、大命のままに奉進(たてまつ)らむ」
御礼に押木玉糸曼(玉鬘)を大王家にと根臣に持たせ返事を託した
ところが、この根臣、押木玉糸曼(玉鬘)をくすね、穴穂御子に次のやうに報告した、
「大日下王、大命を拒絶し、「我が妹が、同等の族の下席に成らうか」と云つて横刀の手上に手をかけ怒りました」
是の根臣の嘘報告を眞に受けた穴穂御子は激怒し、大日下王を殺害した
そして、穴穂御子は大日下王の嫡妻長田大朗女を皇后とした
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古事記曰「大雀命(仁徳天皇)、石之日賣を娶して生みませる御子四柱、
大江伊邪本和氣命(履中天皇)、墨江中津王、蝮たぢひ水歯別命(反正天皇)、男淺津間若子宿禰命(允恭天皇)
又、大雀命、髪長比賣を娶して生みませる御子二柱、
波多毘能大朗子、亦名大日下王、波多毘能若朗女、亦名、長日比賣命、亦名、若日下部命」
古事記曰「男淺津間若子宿禰命(允恭天皇)、意富本木予(おほほど)王妹、忍坂大中津比賣命を娶して生みませる御子九柱、
木梨之軽王、長田大朗女、境之黒日子王、穴穂命、軽大朗女(亦名、衣通郎女)、八瓜之白日子王、大長谷命、橘大朗女、酒見朗女」
穴穂御子=穴穂命=安康天皇
系譜を視ると、穴穂御子が皇后とした長田大朗女は實の姉
先の實の兄木梨之軽王と實の妹大朗女(亦名、衣通郎女)との結婚は不倫とされ、木梨之軽王は配流されたが、穴穂御子は親族殺人をした上、不倫したことに成る
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癸未年八月日十大王年男弟王在意紫沙加宮時斯麻(以下略)
隅田八幡鏡銘文
大王はおほきみ
では、「日十」と書ひて何と読むのか?
そして、「日十大王」とは誰か?