2021/3/21(日)「Global Digicon Salon 009 物語パワーで地域活性化を〜岐阜県多治見市「やくならマグカップも」アニメの挑戦!」を開催しました。
4/2(金)深夜、CBCで放送開始されたのを皮切りに、BS11、TOKYO MX、MBS、AT-Xを通じて順次全国で放送開始されるアニメ&実写番組「やくならマグカップも」は、物語パワーで総合的に地域活性化を図る日本初の試みです。これまでも、アニメの大ヒットに合わせて地域を活性化しようという動きはたくさんありましたが、いずれも偶発的、散発的なもので、本当の意味での地域活性化にまでつながったケースはありませんでした。これに対して、「やくならマグカップも」は、岐阜県多治見市において、最初に地域活性化をしたいという有志の集まりがあり、10年の歳月をかけて、周到な準備をした上で、日本全国で放送開始するととともに、全世界配信を通じて、伝統的な陶芸の町、多治見市をセラミックバレーとしてグローバルにブランディングしていこうという一大プロジェクトに発展したものなのです。日本が世界に誇るマンガ、アニメパワーをどう地域の活性化、日本の活性化につなげていったらいいか、関係者の皆さんが詳細に語っています。ご関心のある方は、ぜひこちらの記録映像をご覧ください。
■Global Digicon Salon 009 物語パワーで地域活性化を〜岐阜県多治見市「やくならマグカップも」アニメの挑戦!
そもそも「物語パワーとは何か?」この問題に対して最も優れた考え方を提示しているのは、世界的なベストセラー『サピエンス全史』の著者、ユヴァル・ノア・ハラリです。ハラリは、「サビエンス(人類)は、7万年前の認知革命によって、言語能力を獲得し、仮定の話、つまり、フィクション、ストーリーの力によって、何万人、何千万人、何億人でもコラボレーションできるように進化した猿である」「コロナ禍の中、各国政府は膨大なマネーを創り出し、ばら撒いている。今日、マネーはお札を刷る必要すらなく、コンピュータ上で数字を入力するだけで作り出せるものとなっている。このように、マネーもまたフィクション、ストーリーなのである」と喝破しました。
実は、脳科学的には、言語能力と道具を作る能力は密接に関連しており、どちらも「手順を組み立てる」能力なのです。そして、それは、コンピュータのアルゴリズムそのものなのです。したがって、「現実とフィクション」という表現は間違いであり、現実がバッド・フィックションであるならば、理想的なグッド・フィクションをイメージして、それを現実化していけばいいのです。そして、それこそが「物語パワー」と人々が呼んでいるものの正体なのであって、今や私たちは、そうやって理想的な「電子政府」を設計し、現実化することができるのです。
さて、「やくならマグカップも」の出発点には、ディズニーランドを舞浜に呼んだ伝説のプレゼンター、故堀貞一郎氏の存在がありました。講演では、まず小山敬治さんから、堀氏が創設した「ホリテーマサロン」の活動の紹介があり、続いて、その活動に参加した株式会社プラネット会長の小池和人さんが、堀氏を多治見市に招いて、作陶をテーマにした童話作品の創作を依頼したこと、そして、堀氏の孫の余暇通信社取締役の山岡禎幸さんが、その作品をベースに、女子高生を主役にしたたマンガ制作を提案し、約10年に及ぶ地道なマンガ作品の制作活動があり、その作品が、「ちびまるこちゃん」「はいからさんが通る」「みつばちマーヤの冒険」など数々のヒットアニメを制作してきた日本アニメーションによって本格的にアニメ化されるに至ったこと。そして、アニメ化にあたっては、多治見市が全面的に協力して、アニメツーリズムの準備が進んでいることなどが紹介されました。
もし、この「やくならマグカップも」によって岐阜県多治見市が地域活性化に大成功すれば、それは少子高齢化、過疎化に悩んでいる日本各地の地域活性化のモデルケースになるでしょう。
■「やくならマグカップも」公式サイト