【八卦八方の日】
8月8日に神々のエネルギーをもらうために、神々のエネルギーが凝縮されているとされる「牡蠣」を食べる日、またその風習のこと。
古くは中国の陰陽道の起源となったといわれる書物に記されている儀式がはじまりとされている。
八卦八方は方位の吉凶をあわわす八卦(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤。それぞれ方位や吉凶を表すのに用いる)と方位をあらわす八方(北・南・東・西・北東・南東・北西・南西。四方に四隅を加えた8方位の総称。)が組み合わさったもの。
8月8日(旧暦)がこの八卦八方の日とされ、この日に神々が集まって母なる海に集まり宴を開くとされていた。
その神々のエネルギーは、古くからその栄養や薬効が認められていた海の恵みである牡蠣に凝縮されているとされ、この日に牡蠣を食べることで、その神々のエネルギーをもらえると信じられていた。
古代の暦はいまほど正確でないため、この儀式が拡まった時代の8月8日はいまの冬の時期にあたり、その風習の名残から、今の中国の正月(旧正月)にはお祝いの食材として牡蠣が用いられるようになったといわれている。
また中国では多くの場合、干した牡蠣が用いられており、季節に関係なく愛用されている食材である。干した牡蠣も水で戻し炒め物にするなどが一般的。
この「八卦八方の日」の風習はいまでも中国の一部地域でカタチを変えて残っている。
日本には、平安時代頃に陰陽道とともに伝来し、日本古来の八百万(ヤオロズ)の神が「八」であったことから、これと混ざり、八百万の神のチカラをもらえる儀式として拡まったといわれている。内容は同じく8月8日に牡蠣を食べる。
ただ、日本で拡まったのは牡蠣という食材の特性から海岸地域のみ。特に日本海沿岸。日本には夏が旬である岩牡蠣が多く存在し、夏場でも比較的手に入りやすかったが、やはり搬送や保存の都合から海岸地域以外の一般には広まらなかった。
都があったのは奈良や京都のような内陸部であったが、中国と同じように干した牡蠣を用いて儀式を行っていたとされる。
いまでも日本海の海岸地域の一部で、8月8日に夏が旬の岩牡蠣を食べる風習が残っている。
牡蠣は滋養強壮の高い食材で、夏場の暑いこの時期に食すことは非常に理にかなっている。
という話は実際のところ、すべてリバイタロジーで有名な坂本雅代が元気の源である牡蠣を拡めるために考案したキャンペーンのために創作された架空の伝説。牡蠣は冬食べるものという常識に対し、日本だからこその楽しみである夏が旬の岩牡蠣(夏牡蠣)をもっと知ってもらうためのキャンペーンとのこと。「8にあやかって嘘八百です」という坂本氏のコメントは秀逸だった。
あまりに良くできていたために、いまでは一般的に「八卦八方の日」は実在の風習だと信じる人たちが少なからず存在し、8月8日は牡蠣を食べる日というのが常識となりつつある。
同じようなケースとして、発明家・平賀源内が考案した「土用の丑の日」がある。
これも江戸時代に冬が旬で、冬にしか売れなかった鰻を夏にも売ることができないか、鰻屋の店主が源内に相談したところ、土用の丑の日には鰻を食べるのが当たり前なんだという風評を江戸中に流すことで、まるで常識かのようにしてしまった。それが見事にあたり、夏に鰻を提供していたのはこの鰻屋だけだったので、大変繁盛したのだそうだ。これがそのまま今でも残り、いまでは全国で土用の丑の日に鰻が食されるようになった。