★高円寺シリーズ 第3回(全4回)


小杉湯  2021327日訪問


銭湯お遍路も88箇所を越え、

お遍路スタンプ帳も2冊目となりました。


その最初の銭湯に選んだのがこちら。



昭和8年創業の小杉湯です。


小杉湯は、高円寺駅北口から庚申塚商店街の脇に入った更に脇の細い路地にあります。


この高円寺の小杉湯に来るにあたって


まず、小説「高円寺純情商店街」を読み…



実際に、高円寺純情商店街を巡り…




ようやく、こちらに辿り着きました。


今年国の登録有形文化財に指定されたそうです)


さすが文化財。確かに入口こそ改装されてはいますが、唐破風の下にある「兎の毛通し」と呼ばれる飾りもしっかりあります。



小杉湯の兎の毛通しは、鯉です。


「鯉」には

お客さん、来〜い(コイ)!


という願いが込められています。その願いの通り、次から次へとお客さんがやって来ます。


暖簾には「チームふくしまプライド」の文字が。



どういうことだろう?

と思いましたが、後で理由が分かります。



フロントで料金を払い脱衣所に入りますが、珍しく暖簾ではなくスライドドアになっていました。


中のロッカーはきれいに改築されていますが、天井は折り上げ格天井で、昔の風情を残しています。


浴場に入ると正面には、令和2115日と署名された中島盛夫絵師の王道富士山の絵が、男女湯の中央にド〜ン!と描かれています。


タイルは真っ白でピカピカ。明るくて気持ちがいいです。浴場内は高円寺の土地柄か、圧倒的に若者が多いです。


「銭湯図解」


湯船はL字型に4つ。ジェット風呂、いちご風呂!、ミルク風呂水風呂です。いちご風呂とは、福島県南相馬の伊賀いちご園の欠果を使った薬湯で、美肌効果があるとのこと。


またジェット風呂には、福島県浪江の鈴木酒造の酒粕と米ぬかが入っていて、お肌がモチモチになるみたいです。ともに今回の土日のイベント風呂だそうです。基本ほぼ日替わりでイベント風呂があり、実にバラエティに富んでいます。



また、ミルク風呂とは保湿成分が入った小杉湯オリジナルのお風呂とのことで、小杉湯入浴剤として販売もしています。温度は41度なので、ゆっくり浸かれます。


脱衣所に戻ると、中学生ぐらいの女の子!がハダカの男たちの間を抜けて、平然とゴミ箱を片付けていました(もちろん服は着てますよ)。どうやら小杉湯の娘さんのようです。一瞬びっくり!


まるで「高円寺純情商店街」に出てくる

「松の湯」の番台に座っていた

中学生の「宮地サン」のようで、

小説そのままの世界でした。


ロビーに戻ると、そこはさすがサブカルタウンの銭湯。決して広いとは言えないスペースながら、そこはギャラリーと化し、絵や服の展示販売やオリジナルグッズの販売などをやっていました。



更にこの日はふくしまを応援するとして、伊賀いちご園のいちごや、浪江の鈴木酒造のお酒などを販売していました。ふくしまのイベントは定期的に行っているみたいです。


だから、今日の暖簾が

「チームふくしまプライド」

だったんですね。



サブカルタウンの高円寺にあって、

若者たちが営む小杉湯。


文化財の建物をしっかり守りながら

銭湯から新たな文化を発信し、

地元だけでなく他の地域との繋がりも持つ


まさに新しい銭湯の可能性を見た、

高円寺 小杉湯なのでした。



◾️フロント→ 8 対応明るく丁寧です。

◾️ロッカー→ 8  ちょっと狭いですがキレイで、男湯ですが、化粧水や乳液!まであります。

◾️お風呂→ 9 お湯がバラエティに富んでいます。日替わりでイベント風呂があります。

◾️ロビー→ 9 狭いながら文化と交流の発信の場となっています。オリジナル含めた様々なグッズやアイスも売ってます。

◾️備品シャンプー・ボディソープに加えてリンスや洗顔までもあります。タオルも無料で借りられます。

◾️ポイント→ 毎日のイベント風呂と、見所満載のロビー。ギャラリーとマンガなど、のんびり楽しめます。

◾️スタンプ→ キャラクター型 ミルク風呂をイメージしたもの。親子で浸かる姿もいいですね。アヒルも可愛らしいです。







うおこう


小杉湯から庚申塚商店街に戻った所にあります。



隣りを見ると、ん?魚屋?



そうなんです。

うおこうは、魚屋が営む肴屋なんです。


店内は、魚屋のお店とは思えない、仄暗くジャズが流れる落ち着いた雰囲気です。


生、お願いします!



お通しは、魚とはちょっと異なる三品で登場。



さて、何を頼もうかな

魚屋らしいものでと考えて、

まずは珍しいこちら。



氷頭の酢の物


氷頭とはサメの頭の軟骨だそうです。

少しクセのあるある感じもしますが、軟骨らしいコリッととした食感に大根おろしと甘酢でサッパリと頂きます。


よし、もう一品はこれにしよう!



なめろう


お〜!アジのブツ切りがゴロゴロ入って登場してきました。


さすが、魚屋!


味噌とネギで誤魔化さず、あくまで主役はアジ!といった存在感で出てくるとは期待通りです。


こうなると、日本酒が飲みたくなります。


メニューを見ると、意外にお得。

しかも今なら酒類は20%offだそうです。




よし、黒龍ください!



やわらかくもスッキリした味わいで、なめろうとの相性もまずまず。


この黒龍となめろうでちびちびやっていると、女将さんが


アマビエ、お渡ししました?


と仰り、


これ、宜しければどうぞ。


と言って、アマビエのカードを下さり、中にいた他のお客さんにも配っていました。



疫病退散!


こうしてお酒を楽しめる時間に感謝しつつ、

コロナが早く退散して、一人飲みではなく、

友人や同僚たちとも大いに語り合いながら

飲みに行ける日が来ることを、

心から願わずにはいられませんでした。



◾️せんべろ度→  日本酒がお得に飲めます。

◾️→  魚料理は間違いありません。

◾️サービス→  女将さん、感じ良しです。

◾️ポイント→ カウンター奥は隣りの魚屋に繋がっています。