夕べのクローズアップ現代で、エボラ出血熱の特集みてて、ドラマ「相棒」の゚レベル4゚を思い出した。亀山薫最後の事件ですね。

当時、日本にはレベル(バイオセーフティーレベル)4の実験室・施設は一つしかなくて、周辺住民の反対により稼働できなくて活動はレベル3どまりでしか運用されていない、はずなのに内緒でレベル4やってたという話。バイオテロの可能性考えたら、レベル4運用しなきゃいけないんじゃないの、という問題提起と、大義名分があれば内緒でやっていいのか違うだろ、的なテーマとが絡みあい、かつ寺脇さん演じる薫ちゃんのラスト回だったので、おもしろかったです。医療機器関係を調べてた経験もあったのに、レベル4の実態を知らなかったんで、反省した記憶があったりする。

現在、レベル4施設は日本に2ヵ所あります、東京の武蔵村山の国立感染症研究所と、つくばの理研(何かと話題ですがグループは別らしい)。でも、住民の反対(まあ怖い気持ちはわかる)で運用はしておらず、活動はレベル3。なので、もし日本でエボラの可能性があったとしても、細胞とって海外の施設で調べてもらうしかありません。アジアでレベル4あるのは、台湾とシンガポール、インド。長崎大学によると、インドも台湾も2ヵ所づつあるそうです。中国の武漢で、初のレベル4を建設してたけど稼働してるかどうかは不明。多分、強権発動できるから、稼働してるんじゃないかな。

日本は周りが海に囲まれてますから、長距離移動はほぼ飛行機なわけで、そうすると成田、大阪、福岡か長崎等の空港近辺にレベル4施設があれば、エボラみたいな接触(体液で感染するので)による感染症は水際で調べられるのかもしれません。でも遠いと研究施設の運用が成り立ちにくいし、かといって街中にあれば周辺住民の不安感不信感があるだろうし、どうすれば?????かといって、住民感情無視してウヤムヤのうちに、武蔵村山のレベル4運用開始も後々禍根や不信を残すだろうし。

エボラの潜伏期が約3週間もあるから恐怖が嫌増すんですよねー富士フィルムの株価暴騰しましたが、傘下の富山化学のファビピラビルという新薬が、マウス実験でエボラに効果ありとわかってるらしい。そして、厚生労働省から製造販売許可されてるのですが、動物実験の安全性確認で胎児に奇形が生じる可能性がみられたとかで、安全性等が確認されるまでは市販できない。パンデミック時に厚生労働大臣の要請があって初めて製造できるというシロモノ。原料は確保してるけど製造できないんですわ。もちろん値段もついてない。

こんな仕組みで実際に新型インフルエンザとか起きてから製造するって大丈夫なの?と思うんですが・・・・・・なお富士フィルムは米国企業と提携しており、そこに米国防省が100億円くらい資金援助してます。その兼ね合いから、FDA(米食品医薬品局)に働きかけた模様。治験はフェーズ3まであるのにこれからフェーズ1だから、せっついてるようです。もっとも米国の未承認薬ZMappはサルでの実験しかしてないけど投与しちゃいました。死ぬよりは、という選択なんでしょうが、それだけ切羽詰まってる状態。

なお、ZMappもファビピラビルも米国防省がかんでるのは、バイオテロリスク対応。パンデミックが前提ではないので、世界中の患者をカバーするような大量生産体制が整ってないらしいです。これも問題ですな。ファビピラビルは商品名「アビガン」となってます。製造されてないから、お医者に処方箋たのんでも出せません。

米国はテロリスクは2001年の911から厳重にとっており、バイオテロはもちろん、原発への自爆テロも想定して対策たてとります。最悪、ハイジャックされた飛行機が原発につっこむ時は撃墜できる仕組みがあったりする。そしてもっと簡単に電源落とせばメルトダウンするので、全ての原発に電源車が配置され、兵士が守ってるそうです。日本ではテロ前提の対策がどうもゆるゆるな・・・・?

アビガンの安全性が早く確認されて、備蓄できるようになって欲しいですね!だけどこれ、富士フイルムにはあんまり儲けにならんのですな。ギリアドのタミフルみたいにステータスにはなるから知名度アップでいいのかな?