
画像はチラシなんだけど、この絵の看板をケータイで撮影して、お母さんに帰るよーって言われて立ち去る時の一言。多分、この一言に尽きる。
お話はだれもが知ってる竹取物語そのまんま。だけど演出と監督でこんな風になるなんて!うわあびっくり!
アニメ映画としての評価はわかれるかもしれない、風たちぬみたいな、はっきりしたメッセージ見えなかったんで。だけど、なんつーか、美しいんですよ、きれいなんですよ。心のどこかにあるきれいな気持ちを思い起こすような。。。。
テイストでいえば、もののけ姫風あり、千と千尋あり、ハイジぽいところもあり。かぐや姫、かなり野生児です、野趣あふれる美です。正直最初はどこが美しい?と思ったんだけど、美しく見えてくるんだ、不思議なことに。
童は少女になって、大人の女性へ。少年は生き抜くために、いろいろあって男となり、お父さんへ。輝かしい子供時代は一瞬で過ぎ去り戻ることはできない。
月へ帰る時のお迎えが仏教的というかインド風なせいか(音楽はなんか違う沖縄でもないしなんだろ。)、かぐや姫が立ち去る時に彼女の精神が死んでしまったように感じましたね。老いた両親残してあの世に旅立ちゃうような気分。二年半前、体調悪くて休んでた時、両親は私のことをこのまま死んでしまうのではないか、とかなり心配かけました(最近になって知りました)。こんな風に嘆かしちゃたのかもしれない。影がどんどん薄れていった、そうです。
どんなにこの地球にとどまっていたくとも、強制的に月へ連れていかれるかぐや姫。生きたいのに、避けられないいつかはくる死。それは突然にくるかもしれない、ならば、それまでは生に必死にしがみついていましょうか。。。。絶対、自分から手放したりしないもんね。どうして私がこんな目に、と一時思ったって、生き続けるもんね。たとえ最後が独りでも、たくさん愛された記憶が恐怖を拭い去るだろう・・・・その時にならないとわかんないけど。
水彩画チックなアニメです。背景がきれいなんだろう、と思ってプログラム買ったら、なんか違った。動いてるのが美しいみたい。でもでも、ツユクサの青が、百合の濃いめピンクが、椿の赤が、藤の紫とさつきのオペラピンクが、緑の木々が、目に優しくうつります。アニメアニメしてない、水彩画と一言でかたづけてよいのか悩む、そんな不思議。際立つ筆のような線。水墨画とは一線を画する線。塗線作画にたっくさんスタッフの名前のってたけど、塗線て何?線に力いれてるらしく、線撮なんてスタッフもあった。あの線がこのアニメの躍動感のもとだろうか。
キャラもデフォルメされ方がなんともいえない。帝がねー顔上半分はキムタクキムタク風なのにあごが猪木風。求婚する貴公子の一人に橋爪功がいるんだけど、いい味わい。個人的にはかぐや姫の名付け親と、女童がよい。
純和風アニメというと誤解をうむかもしれないけど、日本風美、様式美とはちと違う土俗的な部分もあわせた生き生きとした美。NHKが平清盛でやりたかったんじゃないか的な、ちょっと泥くさい平安の色。雅楽っていいなぁ。かぐや姫命名の宴が秀逸です。挿入歌で、作詞作曲高畑勲ってあったけど???えー半音変調したの難しいです。基本メロディが「うーみはあーらーうーみーむこおはさあどおよー」ぽくっきこえたのはきのせいか。
スタッフがほとんど日本人。アジア系も欧米系もあわせて一桁という少なさ。これもびっくりー
私のお気にいりシーンは、かぐやとかつての少年(今はおっさん)精神遊泳するところで、水面すれすれを疾走するところ。水シーンに弱いのです。琴なんか変におもうけど、気にしないー
ところで・・・・・・・・12月の映画といえば、忠臣蔵だけど!47ronin、それにキアヌー・リーブスって何?吉良役に浅野忠信って・・・・・わざと?ねぇわざと?主税前髪おとしたばかり、の役なので、十代のわかい男の子ーってかんじの役者にやってほしいなあ。キアヌみたさに行ってしまうだろう自分を今から予想中。それにしても。。。。。。ね。