
ゆうべTVをみていたら、緊急地震速報が画面に流れた。強い地震ウンヌンだったので、寝そべっていた妹はシュタっと立ち上がり、出入り口の扉を少し開けてそこに張り付いた。ちなみに両親宅には、揺れているかどうかをすごくよく表してくれるブツがある。それは赤いトウガラシが何十も連なってぶら下げてある縁起物である。これがゆれにかなり敏感で、体感してない揺れの時も揺れを表してくれる。そのトウガラシが昨夜はゆれてないので、両親はたいしたことないや、と思って悠然としていたらしい。妹は憤然として信じられない!慣れちゃいけない!と抗議していた。
それに帰ってきた返事は、
「空襲の時はね、朝も晩も、どこから爆弾降ってくるかわかんなくてもっとこわかったんだから」
うーん、天災と戦争を一緒にされても困るんですが、たしかにどっちも命にかかわることだから返答できませんでした。
父は3月も5月もその他すべての東京の空襲を生き延びてきた人。その時は東京の築地在住。ただし、池袋在住だった父いとこは、3月9日に寝具をあげた時に会ったきり生死不明。よく空襲の引き合いにだされるのは、東京では3月9日夜から10日にかけてのものを指す。父は翌々日には気になって自転車で探しに行ったが、焼け野原どころか何も、本当にガレキすら片づけられてしまっていて、何もなかったとか。それ以来会ってない、という言葉の裏には一家全滅という意味が込められているのだと思う。
さて、母は3月の空襲時には千葉に疎開していたが、その疎開先で艦載機から空から機銃掃射され、田んぼのあぜに転がりこんで九死に一生を得た人。けがはなかったけど、ソロバンが濡れて使い物にならなくなったのが許せないらしい。いまだに「あの時戦闘機に乗っていた操縦者は私を撃って笑っていたのを見たのよ!」と鼻息が荒くなる。子供の頃はまさか、と思っていたが、大人になってわかった。戦争って、子供を狙い撃ちするのを楽しむことを何とも思わないような狂気を作るのだと。
狂気とはちと違うが、放射能、あるいは放射線量のうんぬんを気にするのはとてもストレスである。私は数値をみて安心するタイプなんで、自分で表作ったりして納得してみてたんだけど、妹はまた違うらしい。百人町の水のデータ(数値が26日まで増加傾向にあった、27日には減少)みて震えあがっていた・・・・だけど朝霞や金町浄水所のものより数値少ないよ?水に関しては浄水所のデータのほうがいいぞ?と言ってみるんだけど、身近な人間の言う事のほうが信じられないらしい。姉妹でこうも違うのだから、他人はもっと違うのだろうな。
放射線量のことについて、日本人が過敏になってるのは政府が正しいことを言ってるのか、と疑っている気持ちがあるんじゃないかと思う。それを助長しているのが海外での報道や記事で、放射能や被爆についての認識がことごとく間違ってる気がする。専門家は騒ぐ水準じゃないといってるんだが。大体、各国駐日大使館の態度がよろしくない。風評をわざわざ広めるような避難指示出したのが、原発大国である私の大好きなフランスだっていうのが、悲しいわ。
おとといもらったメールは、おととしeBayフランスを通じて知り合った在英フランス人からだった。彼ムッシュウSは、英語で「放射能よけに皆マスクしてる東京の画像をみた、君は大丈夫か?」と言ってきた。ムッシュウS、それ多分花粉対策のマスクだよ・・・・・非常に脱力しつつも、誤解は解かねばと、日本人は3人に1人が花粉症(フェイ・フィーバーという)であること、日本人にとって今の時期のマスク姿は普通だということを説明した。あと、放射能については、原発事件の前より数値が上昇しているが健康には問題ないこと、1960年代の水爆実験時の時のほうがすごい量だったと思う、などと苦労しながら英語で返信した。納得してくれるかなー
ムッシュウSは私と同じ年だ。日本人と知り合ったのははじめてだったらしいが、3か月くらいメールでやりとりして仲良くなった。彼がeBayショップを閉めたので付き合いなくなったのだが、心配してくれたのは嬉しい。彼は山登りが趣味で、富士山の写真を送って一泊二日で登れると教えたら、ものすごい登りたがっていた。私は高校生の時に夏の必修科目で妙高登山(標高2400m以上)をやらされた。この話したら、ものすごくうらやましがられた。フランスで2000m級の高い山に登るには、かなり時間も手間もかかるらしい。たしかにパリは平らだったもんな。東京は三鷹のほう行けば結構な登山になるし。スキーできる場所が色々あるのもうらやましがられた。私は若い時は、冬は毎月一回は、金曜夜に出発し月曜朝に帰ってそのまま出社なんてハードスケジュールでスキーに行ってた。東京は海も山も登山もスキーも、割と週末を利用していける位置にある。ムッシュウSに、とってもうらやましがられて、初めて観光立国もいける?と思ったのだった。
ムッシュウSには返信する時、Goldorakゴルドラック(日本ではUFOロボ グレンダイザー1977年アニメ)の画像(昔のLPレコードの表紙)を添付して送った。わざわざ心配してくれたお礼のつもり。彼はこの年齢のフランス人にもれず、ゴルドラック大好きなのだった。私も主人公のデューク・フリードが大好きだった。少しは安心してくれるかな?