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行ってきましただ・・・天気予報のうそつきーさむいじゃん!とまあ、天候には恵まれなかったけど、百人弱の人で会場は七ー八割方埋まってたので、盛況でしょう。画像はチラシと私がつけてったワンダフルワールドというブランド(今はもう生産してなくなった㈱カネコイサオのブランド)のコサージュ。服も同じくワンダフルワールドの鮫小紋のワンピに真っ赤なペチコートでちと大正ロマン風を気取って、メイクも力いれて、コンサートを楽しんできました。

音楽は好き♪クラシックもシャンソンも。今日の演目には私の好きなタイトルがいくつもあって楽しみにしてた。生ハープも初めて聞けて嬉しい♪ハープの音っていやされるわ~ジュナン作曲の「椿姫の主題による幻想曲」は、初めてきいたのだけど、ヴェルディの椿姫の乾杯の唄をモチーフにしたもので、馴染みやすくてよかった。フルーティストの男性のってたなぁ。最後にソプラノの歌手さんが歌ったファウストの宝石の歌は大好きなのでサプライズ的嬉しさ(演目全部は事前には発表してなかった)。マルゲリータを悪魔が宝石で惑わして、ああ私ってなんて宝石が似合って素敵なの!と自己陶酔する唄なんですが・・・好きなんだこの歌。このソプラノさんオペラのアリア向き。プーランクによる「モンテカルロの貴婦人」って歌、美輪明宏に似合いそうな歌だったなーコクトーの作詞だし?カジノで稼いでた一時期は一世風靡してたらしい女性が、おちぶれていって、だけど気概だけは失わない、哀愁漂ういかにもデカダンな唄なのでありました。

お人形はどれも懲りにこったバッスルやクリノリンやロマンチックやらで、見事でした。ドレスにもっと凝ってほしいと願っている私には嬉しい。まず向かって左側からみては廣瀬美香さんの1872-3年風の素敵なバッスル!赤と黒のアンティーク生地と黒ベルベットの前飾りがアクセントで、オーバースカートのポロネーズ風が素晴らしかった。作者さんいわく、後ろのバッスルのたくしあげは、当時のものと同じように裏にホックでひっかけたひもで吊り下げたもの。どうりでふんわりくしゅくしゅ感がよくでてたわー

尾形智さんのは中央で、黄緑とクリーム色のストライプに淡い緑の細かいプリーツ飾りが素敵な1865-7年頃のクリノリンのイヴニングドレス?アンティーク生地の威力がいかんなんく発揮されたドレスでした。チラシと同じデザインのドレスを具現化したのもあって、水色に黒のアクセントのパフスリーブなドレスは赤毛のアンがあこがれた様式だーなんて思いつつ・・・生地選びって大変だわ、作品を左右するんだから。

右側にあった武田孝子さんの作品は、まず椿姫をイメージしたという淡いグレーのカスミがかった雰囲気のクリノリン。ご本人いわく、なんかシンデレラぽいとおっしゃてたが、椿姫はまあ高級娼婦ですからねーご本人の清純な雰囲気がシンデレラぽさとなって出てしまったんでしょう。んで、2009年にクリスタルアワードを受賞し世界最高の栄誉を受けた、1874年様式の紫のバッスルドレス!これ初めて生で見られて感動。すごい細かいビーズ刺繍で、よく刺繍してるあいだに手がつらなかったものだ、などと妙な感心をしてみてました。クリスタルアワード賞というのは、ビスクの世界大会で最高のお人形に与えられるミリー賞を受賞した人でないと、参加対象にならんという、審査してもらうだけでもハードルが高い、とても厳しい賞。2009年に創設されたそうですが、その栄えある最初の受賞者が日本人って嬉しいもんだ。つぎが1830年代のロマンチック時代のマトンスリーブのドレスを着た50cmのお嬢さん。最後が1900か1905ー07年くらいのドレスきたピンクの霞のような色合いのレディ。これにも、前身頃からスカートの下まで二列のレースの上にビーズ刺繍がびっしりついてました。ベル・エポックを厳密に体現した唯一の作品という意味でも立派でありました。

かように、音楽も、お人形作品も素晴らしき世界だったんですがねー実は少々不満が。それはタイトルにある「ベル・エポックのエスプリ」とある点。ベル・エポックって狭義で細かい人は1910-1914年までだけって小さく区切る人もいるし、広義でみても19世紀末(1898年とかね)から第1次大戦前の1914年まで。せいぜいが10年間かそこらの、短い良き時代なんである。だから、どこがベル・エポックなの?ヴィクトリアンのエスプリの間違いじゃない?と思ったのだ。そりゃ、お人形飾ってある小ギャラリーには1900年の白黒のファッションプレートが何枚かかけてあり(カラーはチラシの一枚のみ)、レースやパラソル、素敵な1900年頃のレースのドレスも一着飾ってあった。だけど、お人形はバッスルにクリノリン、つまりヴィクトリアンが大半だったから、ファッション・プレートとは差がありすぎてアンバランスな事、この上ない。ビスクにベル・エポックのS字スタイルはきついわな、どうすんだ大変だろう作家さん、と思っていたので案の定ではあったんだけどさ。まー曲にもロマン派の巨匠ショパン入ってたりしたからーロマン派って1900年頃まで広義で入れちゃうと考えれば、まあいいのかね。ただね、あれ見て聴いて、これぞベル・エポックと思いこんでしまう人もいるのでは?と心配でした。

作品がよかっただけに、とってもとっても余計なお世話的心配をした私。ベル・エポックにこだわらず、貴婦人のエスプリ、とだけテーマをしとけば無理なかったかなーと、そこが残念だった。プロデュースが良くないんだと思う。ベル・エポックに思い入れがあるなら、もっと細部までこだわれよ!プロデューサー。だいたい、お人形が添え物的に奥のほうに押し込められてたのもちょっと気に入らんかった。

ま、テーマなんてどーでもいーや、美しいものを見聞きできて充実した日曜の午後でした。

以上、感想です。(作文?)