
いやーまさか蒔絵の展覧会にドレスが展示されているなんて!!神戸ファッション美術館のものだとかで、男女宮廷服が1体づつ。あと、意外に驚きだったのが、1800年前後のドールハウスの展示!これがもうステキでねーらせん階段がすっごく!展示されていたのは、ドールハウスの部屋の一つに1700年代の日本の蒔絵のパネルが使われていたからなんですが、そのパネルの部屋も床が寄木細工になってたり・・・他の部屋も天井とか壁とかリアルな雰囲気満載!どの部屋も敷かれている絨毯が、暖炉の形にあわせて織られている(刺繍で刺してあるのかも?)のに感激~
まさか蒔絵展で、ドレスやドールハウスが見られるとは思いませんなんだ。
もちろん、蒔絵もじっくり見ました!大きいのもあるけど、小さいのがいっぱい!輸出しやすいように小さいのがはやったらしい江戸時代のものなんて、もうミニチュア12分の一サイズって感じ。お香道具が多いんだけど、これがもう・・・・感に堪えません。なにがすごいって、そういう一品が市販品なのだ!つまりオートクチュールじゃなくってプレタポルテ!王侯貴族や大商人が頼む特注品ではなくって、市中に出回っていた普及品なのだった。普及品なのにこんなすごいの?これでもかーって感じのこまやか、繊細、優美、精緻な技・・・・ああ、日本ってやっぱり半導体製造装置ナンバーワン、ナノテクすごいなだけあるわーと現代の技術力に通じる底力を感じました。日本人て小さいもの極めるのが好きなのね。入れこになってるのなんて、きっちりーな組み合わせ。
日本の江戸時代の蒔絵は、デザイン的にも素晴らしくって、今でもとてもモダンに感じるデザインばかりでした。美術学生らしき人がスケッチブックに鉛筆で人目をはばかりつつすみっこで、スケッチブックに鉛筆で必至に描写している姿がほほえましかった・・・スケッチ禁止とはなかったけど、撮影禁止なところだから、あまりおおっぴらにはできないもんね。ま、それぐらいモダンかつセンスのいいデザインばかりだったんです。
会場にはマリーアントワネットの少女時代の肖像画と、ポンパドール夫人の肖像画がかかってました。二人とも蒔絵好きだったらしい。マリーアントワネットは、ママのマリアテレジアが「ダイヤより漆器なの」という趣味人だったせいで、遺品として譲り受けたコレクションが影響したらしい。金ぴかルームを特別につくったとか・・・蒔絵って、黒字に金が定番かと思ってたけど、金にさらに金、という金ピカピカも多かったです。ぜいたくさにめまいがしたのは、べっこう地にわざわざ蒔絵かいてるところ・・・・べっこうの柄が見えないくらいに。いやー贅沢ですぅ。
=こっからはオペラの衣裳のお話だす=
ところで、今、NHKハイビジョンでオペラ「ドンジョバンニ」をやってます。しかし!これが今はやり?の現代風演出・・・・18世紀の話題(歌にトルコと戦うのどうのってある)の歌詞があるのに、女性の衣裳がなぜにガーター付ストッキングにワンピース?普通の応接間セットの背景なんだよ~どうしてトレンチコートが出てくるの?ドンジョバンニなのに・・・・
この現代風演出、私の個人的見解からいわせてもらうなら、演出代や美術、衣装代をけちるだけのためのものとしか思えません。だってちゃっちいんだもん。視覚からの悪影響で、歌や演奏までちゃちく聞こえるわい。だから画面みてないっす。
日本はわりとバレエやオペラをオリジナルに近い形で演じるといわれてましたが、最近のオペラの演出はこの現代風が多くてがっくしなのでした。現代のテーマを扱っていたり、過去の話でも現代に通じるテーマだから現代におきかえて歌詞など変わってるというのなら(オペラで歌詞かえるってありえん)、雰囲気壊さないとは思うんだけど。でもNY摩天楼風ビルの谷間にバケモノが出てきてそれと戦う皮ジャンのヒーローがでてくる「魔笛」つーのも・・・・ヒーロー皮ジャンなのになぜに鳥刺しケルビーノはお決まりの衣裳なの?いやそれよりも摩天楼に鳥刺しがいることじたい違和感だ。
カルメンは、日本人の好きなオペラなせいか、あまり外した演出はないような気がする。現代チックな演出がたまにあっても、スペインてのは外してないし~(そりゃ闘牛だからはずせんだろう)。お気にいりの歌っていうのは、期待通りに見せて、聞かせてほしいもんね。
やっぱりさ、オリジナルから遠い時代(現代だ)に設定にするなら、それなりに違和感ないようにしてほしいもんである。そういう違和感を覆えすような歌唱や演奏が、どれほどあると思ってるんだろうか、演奏側は。残念ながら滅多にないよ、そんなすんごい演奏は。オペラってトータルな芸術なんだから、違和感もたせた時点でもうアウトだと思うんだけど~演奏者には演奏者の意見があるだろうけど、なんか傲慢な雰囲気があるように思えるのは、私の気のせいだろうか?
なんか、音楽家だけがイイって思ってやってても、普通の一般庶民にはイイって思えないもんがある。それをわかれよっていわれてもーボクの作品をこんなにしちゃって、ってモーツァルトは草葉の陰で泣いてるぜ。
なお、私はたくさんオペラを見ているわけではありません。いいところ年1回くらい。TVも含めて全幕みたオペラの曲だって2桁そこそこ。しかし、たったそれだけのうちでも、こういう意見を持ってしまうのです。せっかく見にいくんだから、こう、ぐうの音も出ないくらい感動させてほしーよ。これって観客の勝手なわがまま?
以上、最近(つーてもここ20年くらいの上映)のオペラについてでした。
うーむ、本日は雑記にするか、ドレスにするか、ミニチュアにするか判断に迷う内容・・