大学院生の頃、先生から言われたひと言。

修士論文の提出まであと数ヶ月、論文の執筆がなかなか進まなかった時

先生から言われたひと言。

 

 

 

手を動かさないと文は書けない、当然と言えば当然の言葉だ。

スラスラかけるなら、とっくに手を動かしていたわぃ…と思っていた。

僕だって書きたいわ。

 

もちろん、何もネタがないから書けなかったわけではない。

調査した資料も、参考文献もそこそこ揃っている。

しかし頭の中で「これをどうやって調理すればええんやろ…」と悩んでいて

ワードのカーソルはずっと、同じ個所で点滅しているだけだった。

 

とはいえ、あーだこーだぼやいている場合ではなかった。

会社の内定はすでに出ているし、ここで論文の提出ができず留年となれば

内定取り消しは当たり前で、その経歴のせいでこの冷酷な資本主義の社会で

ペナルティを食らってスタートする未来しか見えていなかったのだ。

そのため、とりあえずエイヤで書いてしまおうと、やっと重たい手を動かした。

 

 

 

不思議だった。

つい先までは五里霧中だった執筆の方向性が、とりあえずパーッと書いてみると

少しずつ見えてきたのだ。

そうやって数時間、行き当たりばったりで書きまくった。

過敏性腸症候群で約20年間苦労してきた僕としては、便秘の辛さは解らないが、

1週間苦労してやっと快便した気分はこれに近いかな…とも思った。

 

そうやってむやみに出した材料を拾って組み合わせたら、

ようやく論文と辛うじて言える何かが出来上がった。

 

格式の高い方々は、それをブレインストーミングと言うんだっけ。

ブレストでも快便でも何でもいいが、その時僕は大きい教訓を得た。

 

「まずは手を動かせ。」

 

 

 

ブログを開設してそろそろ1年。

定期的に何かを書きだそうと決めた自分はどこにもおらず、

仕事で疲れた

昨日飲み過ぎた

今日は気分が乗らない

などなどの理由で後回しにしていると、気づけば幽霊ブログになっていた。

 

そんな大したことを書くわけでもなく、どこかにお金をかけるわけでもないのに

悩むことなんてないじゃないか。

これからは1日10分でも、手を動かしてみよう。

そうすれば、何かしら出るものはあるかもしれない。