気になるニュース:Viacom v. You tube + Shield Act の行方 | 日々、リーガルプラクティス。

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1つは最新のニュース、もう1つは少し前のニュースですが、ちょっと気になった話題を。

だいぶ長く争っていますが、Viacom Int'l Inc. v. YouTube Inc.訴訟の差し戻し後のニューヨーク連邦地裁(Southern district of New York)判決が出て、You tubeが勝訴したようです。正確には、You tubeがサマリージャッジメントの申立てを行い、それが認められた、ということです(本事案において"genuine issue of material fact"がない、と判断された、ということになりますね)。判決内容はコチラ

自分はこの訴訟について、今まで詳しく見てきたわけではありません。ただ福井健策先生の『「ネットの自由」vs. 著作権』という書籍を読んでいて、今後のWEB2.0とかクラウド系サービスに重大な影響を与える本裁判が起きていることを学んだので、頭の片隅に残っていました。アメリカのDMCA(デジタルミレニアム著作権法)におけるNotice & Take downによるセーフハーバールールによってYou tubeがきちんと義務を果たしていたか、それともYou tubeは侵害コンテンツがアップロードされているのを知っていたか、もしくは"Willfully bind"だったから侵害の責任を負うか、というのが争点の裁判です。ちょうど自分が今刑法で勉強している中で"Willful Blindness Doctrine"を学んでいるので、民事裁判(特に著作権侵害事案)の観点から見るWillful Blindnessの理論を学ぶのも面白そうです。時間があれば判決内容を見てみてもいいんでしょうけれど、その前に自分の場合はもう少し著作権法を学ぶ必要がありそう。。。

Viacomは恐らくAppealするでしょうし、Summary JudgmentのAppealなので、改めてViacomに有利な観点で証拠を再度見て、Trialが不要だったのかを判断するので、また逆転する可能性がないとも言えず、今後の動向に注目な裁判ではないでしょうか。


あともう1つ、先月のニュースですが、パテントトロール対策の法律として、アメリカの下院でShield Actが法案として議論されています(若干穿った観点側のサイトですが、例えばコチラ)。

法案の内容の詳細は知りませんが、概要としては、特許権等の侵害訴訟を起こす場合、パテントトロールのような定義に該当する原告については、訴訟提起時に一定のBondを収めさせる、という内容のようです。問題となりそうなのは、正当な権利者もパテントトロールとしての定義に該当してしまうと、Bondを収める義務が生じる、ということのようです。

こちらも動向が気になるニュースでした。今日はこの辺で。