パトカーに追われ、逃げ切りました・・・
古い話で恐縮だが、オレが20歳頃、
パトカーに追われたことがある。
アルバイトを終え自転車で東京北区の西ヶ丘付近を
帰宅中だった時だ。
「西ヶ丘」と聞いて、ご存知の方も多いだろうが、サッカー場が
あるところで、サッカー場周りの道路は整備されている。
(が、少し離れるとそうではない)
その明るい片側2車線の広い道路隅を鼻歌歌いながら
オレは無灯火の自転車をこいでいた。
ふと100mほど先の反対車線を見るとパトカーが停まっている。
「ヤベっ」とすぐに自転車のライトを点け、何事もなかったごとく
パトカーを横目で見つつ通り抜けた。
これで大丈夫。
でも、更に50~60m走った時、嫌な予感に襲われ後を見た。
なんとパトカーがUターンしているではないか!
別に悪いことは(無灯火以外)していないのだが、警官にそれを
説教されるのは鬱陶しい。
大体、無灯火くらいでパトカーをUターンさせ追いかけるかぁ?
たまたまUターンしたんだろ・・・
と、思いつつも自転車のスピードを上げ、一方通行の路地に
曲がった。
暫くすると、パトカーもついてくるではないか!
赤色灯まで点けて。
完全にオレをターゲットに追いかけてる。
オレはそう確信し、更にスピードを上げた。
しかし20インチのママチャリでの最高速度はタカが知れてる。
みるみるパトカーに追いつかれ、真後ろまで迫った。
しかもだ。マイクで叫んでる。
「そこの自転車。停まりなさい!」
ここで捕まったら無灯火と逃げた理由を説明しなくてはならぬ。
へたすると家に帰れないかも知れない。
オレは腹を決めた。
絶対に逃げたる!
で、自転車を停めるフリをしてスピードを緩め、
車が入れない細い路地に飛び込んでフル加速。
20インチのママチャリは、こういうシーンでは有利だ。
(こんなシーンは普通無いと思うが・・・)
ザマミロ。これで追いかけられないぞ・・・
と、ほくそ笑みかけた時、車の停まる音とドアを開け閉め
する音が間髪入れずに聞こえた。
もしかして・・・と振り向くと、警官が二人走って追いかけてくる。
薄暗闇の中だが、その表情はマジだ。鬼のようだ。
ここで捕まったらボコボコにされる・・・
警官がそんなことするハズはないのだが、真剣にそう思った。
結局、オレは逃げ切った。
細い路地を右や左に走り抜け、国道17号、中山道に出た時
そう確信した。
だが、いつでも逃げられる体勢は最後まで崩さなかったし、
翌日以降は、あえて遠回りして帰った。
そしてこの逃亡劇(?)を友人に話したら、こう言われた。
「逃げないで素直に説明したら良かったのに・・・」
ホントにそうだろうか?
パトカーをUターンさせた時点で、オレをうさんくさいと
感じたハズの警官に、オレの説明が通じただろうか?
しかも、走って追いかけてくる警官のマジな表情は、
オレを犯罪者と決めつけていた。
そんなヤツにオレの説明が通じるハズもなく、
捕まえるや否や、オレが何を言っても聞き入れず、
警察署に連行しただろう。
オレはこの逃亡劇を思い出して、一つ気付いたことがある。
それは民主党小沢幹事長も今、あの時のオレと同じ気持ち
なのではないかってこと。
オレのみみっちぃ逃亡劇とは大きく違うが、気持ち的に大きな
違いはないと思うのだ。
小沢氏は明日、任意の事情聴取に応じるようだが、ハナから
うさんくさいと思ってる検察が小沢氏の説明に納得し、
嫌疑が晴れる・・・とは到底思えない。
あの時のオレと同じように・・・。