1月某日 - 「こんなもんかな、よし行こうか..! 」。慣れないスーツを身にまとい、履歴書を抱えて家を出た途端、冷たい風に襲われた。急いで車に乗り込み、暖房とラジオをつけてハンドルを握った。
ここで簡単に僕の自己紹介をしておく。
僕は福井県で生まれ育ったごく普通の青年だ。もう1カ月もすれば20歳になる。好きなジャンルは「自動車」と「音楽」、そして「動物」の3つである。車と曲については特に古いものが好みのようだ。汗水を垂らして納車した最高な"レガシィB4 "を最高な"安全地帯 "の曲をかけながら運転するのが大好きだ。(これは語らずにはいられなかった。)
高校をリタイアして、スーパーでパートとして働き始めてもう3年目になっていた。最初はただ何となく就いて、何となく働いていた。
時間が経つにつれて、頭の片隅に薄すら存在していた将来の不安が強く濃くなってきてい
るのを感じていた。焦っていた。
2年目の頃、ここで頑張るしかないと意気込んで正社員を目指した。登用面接に志願して、それに向けて必死に努力した。朝6時に出勤して夜20時に帰宅する日もあった。
ついにやってきた。1次面接、マンツーマン。相手はここの店長だ。僕の頑張りを見てくれていたはずだと自信があった。――—
僕は学院長のNさんと合流した。僕は今、ある車屋さんに面接をしに行くところだ。
一度しかない人生やりたいことをやろうと奮起していたところ、学院長に紹介してもらい、お会いできることになった。学院長は同行までしてくれると。
到着した。広い敷地にお洒落な内装。心が躍っていた。直感的にここで働きたいと思った。人の良さそうな社長さんがやってきた。聞いていた通りだった。僕は緊張とワクワクが入り混じった震えと暑さを感じていたが、とにかく車が好きなことと湧き出て底の見えないやる気を伝えようと努力した。
社長さんに言われた。「君は金の卵だ。」と。受け入れてもらったんだと本当に嬉しかった。
僕はあの時の登用面接である言葉を放たれ、何かが切れた音がして我に返った。今思えば酷なものだったが、視野を広げて僕はそれを昇華させた。ポジティブ思考だ。やりたいことをやろう。
自分を見つめ直す大きなきっかけだった。この強大な起爆材を利用してまず僕は高校に編入した。学院長は人脈が広く、情熱のある方だ。
僕は幸運だった。覚悟を持って選んだ道にはたくさんのご縁が待っていた。この道にもまだ見ぬ大きな壁が僕を待ち構えているかもしれない。だけどワクワクが止まらない。物語は始まったばかりだ。
後記
10代の終期、まさに人生が変わった瞬間でした。僕は17歳から社会に出て、多くの方々に出会ってきました。もちろん良い人だけではありませんでしたが、何事も捉え方だと思っています。学べることは全て吸収してきました。
少し話は逸れますが、僕は人生の目標として、「本当の大人になる」ことを掲げています。僕が定義する大人とは「常に視野を広く保ち、余裕があって器の大きい人間」であること。今回登場した学院長さん然り車屋の社長さんも余裕が垣間見えて素敵です。
当時、ここで頑張るしかないと言っていた自分と今の自分を比較してみると少しは成長できたのかなと自己評価しています。幸運なことに入り口まで案内していただき、今こうして僕は溢れんばかりの情熱を注ぐ的が定まりました。やりたいことをやるのに遅すぎるなんてことはないと思っています。ただ照準を定められるのは自分自身だけです。
僕に関わってくれた全ての人に心からの感謝をしています。
