先日、懲りもせず「名探偵ポワロ」の「雲をつかむ死」を観てましたらば、最後にフランスでポワロが警部に「ご馳走しますよ、魂のごちそうです」といって終わるシーンが。

そう、ごちそうとは警部の想像したフランス料理ではなく、ルーブルをはじめとする美術館で目にする「芸術品」のことなのです。
それを「魂のごちそう」だとポワロは表現しました。

昨年観た「緑の村の物語」というミュージカルでも「音楽は心のごちそう」というセリフがあります。すぐれた芸術はもとより、芸術を楽しむ余裕を持つというのはなんと贅沢なことでしょう。
それこそが文化だと思います。

今日訃報があった経済学者の宇沢弘文さんの過去のインタビューでも「経済的に豊かになることだけを頑張りすぎて、本当の意味で豊かになることを忘れてきた」というような趣旨の言葉がありました。

この「本当の意味で豊か」というのが、文化・芸術的にすぐれていくということなのではないでしょうか。

子ども劇場にかかわっているので、よくこのあたりが話題に上るのですが、子どもの権利条約というものがありまして、そこに「文化・芸術に触れる権利」や「休む権利」なども謳われています。

スポーツ選手やバレリーナがほぼ自腹で世界に通用する腕前になることが当然とされているのは、先進国の中でも日本ぐらいじゃないですか?

もっと補助金・助成金が出てもおかしくない団体が自力でがんばっている、こんな先進国他にないんですが・・・。

話はもとに戻って。

心のごちそう、魂のごちそう、すぐには目には見えないけど、じわじわ効いてくる、他には変えられない必需品です。
あなたの心には、時々ごちそうをあげていますか???