関東にはオナガという鳥がいて、そんなには見かけないが世田谷区の鳥になっている。尾が長く、小鳥というには大きいので飛んでいてもほかの鳥とは区別がつく。たいてい2羽かそれ以上でいるようだ。
オナガはギョエー、ギョエーという怪獣みたいな声で鳴く。見た目は違うが、カラスの仲間らしい。
佐賀に行く機会があったので、カササギを探してみた。カササギもカラスの仲間でカラスよりは小ぶりだ。現地では、かちがらすという。カササギは、黒にお腹の方が白いツートンカラーで、よく見ると羽は紺のような青い色をしている。オナガも頭が黒く、お腹は白くて、羽や尻尾は水色のような青をしている。関東でオナガを探してもなかなか見つからないが、佐賀のカササギは2日ほど公園を見て回ると鳴きながら3羽ほど飛んでいるのがいた。さすがは佐賀の県の鳥だ。
邪馬台国の時代には、日本には牛馬虎豹羊鵲はいないと書かれており、鵲(かささぎ)は日本にはいなかったが、朝鮮半島や台湾、香港、イギリスを含むユーラシアに広く住んでいる。犬と猫とカラスでは、実はカラスが一番賢いという話があって、カラスはチンパンジー並みであるという。しかしカササギはカラスよりも賢い。ホンソメワケベラという魚は鏡に映った自分の姿を自分と認識して、体になんか付いてたらとろうとするが、カラスにはこれができず、カササギは鏡に映った自分を自分と認識できる。カササギにくらべたら、カラスはアホな鳥ということになる。
手塚治虫の鳥人体系でも、人類に挑んでくるのはカササギである。カササギは1羽ではone for sorrowといって、悲しみのために来る。2羽で喜び、3羽で娘、4羽で息子、5羽で銀、6羽で金、7羽でまだ言われてない秘密のために来る。もっと古くは、10羽まであって、生や死、天国や地獄ももたらすとされた。これを日本人は迷信と片付ける傾向にあるが、迷信ではない。カササギは仲間で暮らしているので、1羽のカササギは寂しいカササギなので人にも悲しみをもたらす。Hello Mr.Magpie,How's your wife today? カササギさん、今日は奥さんどうしてるの、みたいに話しかけるといいという。
英語のmagpie(マグパイ)がカササギという意味で、もとはpie(パイ)と言っていた。これはフランス語のpie(ピー)であり、ラテン語のpikaだが、カササギの巣のような料理をパイというようになり、ミートパイやアップルパイというものになった。
もとのカササギには、かわいいものにつけるmag(人名のMargaret)をつけてmagpieというようになった。中国語の鵲は、que(チュエ)と発音するようだが、喜鵲(きじゃく、シーチュエ)でもカササギということになる。東洋では七夕の鳥で縁起がいい。大伴家持の百人一首にもある。しかしあまりいないのが残念だ。佐賀や福岡の柳川のは、秀吉の朝鮮出兵の頃に戦国武将が連れ帰ってカチ(勝ち)ガラスとか高麗(こうげ)ガラスと呼んでいたのが繁殖したようである。ところで韓国語では、カチというようだ。これは鳴き声から来ている。つまりカチガラスとは、高麗や朝鮮の人がカチと呼ぶカラスのような鳥、というのが本来の命名だろうと思う。苫小牧ではロシアの貨物船に乗ってきたのも最近いるようだ。オーストラリアやニューギニアにはカササギフエガラスがいて、白黒なのでマグパイと呼ばれているが写真で見る限り顔が違ってて、目の赤い怖い顔をしている。
ところでオナガは、英語でazure-winged magpieなので、空色の羽のマグパイということになる。中国語では灰喜鵲(はいきじゃく、ハイシーチュエ)というらしい。オナガは東アジアとイベリア半島の一部だけにいて、Iberian magpieでもある。日本のオナガは、カササギのいない東日本や北日本の本州地域で暮らしている。