2024年4月29日、アンジュルムのコンサートツアー「Secret secret」高知公演、昼夜の2公演に参加してきました。

 

もう、これは…

歴史的なコンサートと言ってよいと思います。

 

武道館のような「大箱」ではなく、誰かの卒業でもない、そんな公演では間違いなくアンジュルム史上最高の感動公演(といっても自分の参加した限りでですが…)と言ってよいと思います。

なんなら、卒業も何もない武道館公演よりも、すごい熱量の感動公演でした個人的に。

 

会場は高知県立県民文化ホールの「オレンジホール」、高知県出身の川村文乃さん(以後、かわむー)が「この会場でアンジュルム単独で公演したい」とかねてから公言していました。

 

それまで、アンジュルム単独では「ライブハウス」での公演は2019年にあり、その後コロナ禍でハロプロ合同のチーム公演はありましたが、その後アンジュルム単独ツアーが発表されるたび「高知公演がない…」となる事態が続いていました。

それが、この春ツアーでようやく叶いました。かわむーにとっての地元での「単独ホール公演」、それも夢に見たオレンジホールでの実現です。

 

大阪や名古屋、北海道、仙台などメンバーの出身都道府県での単独公演はありましたが、いずれも政令指定都市で、交通アクセスもそれなりの便利さがある街であり、地方都市の公演として「四国」しかも一番奥の「高知」では、興行的な難しさや会場の予約などの関係で、なかなか公演が実現しなかったのではないかと思います。

 

 

ようやく実現し、いよいよこの日が迫ってきた時に、俄かに周囲で盛り上がりを見せていました。

2日前の4/27に広島公演があり、その次はいよいよ高知公演という事で、かわむーはもちろん他のメンバーも「楽しみ」とブログに綴ったりしていました。

 

SNSでは「#かむ高知観光」というタグをつけて、かわむー自身が少し前に「金が取れる」レベルの素晴らしすぎる観光ガイドをInstagramにアップしていました。

 

 

ライブ前日の4/28あたりから、この「#かむ高知観光」のタグをファンがつけて「X」でポストを次々と投稿し、思い思いの観光を前乗りでやっていた格好になり、かわむー自身もこれを知り「皆さんが高知を観光してくれて嬉しい」と記していました。

 

そんな訳て、ご当地ライブ前からXの観光ポストで盛り上がりを見せていましたが、当日4/29の昼公演は15:15に開始しました。あいにくの雨天でしたが、通常の何倍もの数量を用意がされていたというかわむーの日替わり写真は30分ほどで完売したといい、グッズ購入開設後1時間も経った時点では買えませんでした…。

 

開場は14:45、「高知市」から献花がありました!

 

 

前置きが長くなりすぎましたが、いよいよ開園!というところで「あーやの、おーかえり」といういつもの「凱旋」コールが響きわたりましたが、これがいつもと違う熱量で、この凱旋はそれまでのメンバーの大阪や名古屋でやるようなものとは明らかに違う「待ちに待った凱旋」感が半端ありませんでした。それぐらいコールが大きく、熱量も大きなものでした。それまでのある種儀式的なものではなく、心の底からの「おかえり」という感じでした。

「凱旋」とは、「戦に勝って帰ること」の意がありますが、これこそが真の凱旋!と感じました。

 

コンサートのスタートのイントロが流れた時ですらまだ、おかえりコールが続いていたかのような感覚でした。

最初まずも歴が下のメンバーから一人ずつ、スクリーンに紹介されていき、1人1人に歓声が上がりますが、「川村文乃」と出た時の、拍手の大きさが忘れられません。大相撲の土俵入りで人気力士や大関などの名前が告げられる時のようでした(笑)

 

そして1曲目はずっと、かわむーのメンバーカラーであるライトパープルのペンライトの海でした。かわむーのテンションもいつもと違っていたように見え、身体をXの字にしたジャンプを何度もしていました。

 

4曲ほど歌ってようやく、最初の挨拶となりましたが、当然のようにかわむーの挨拶でした。それはもうすごい拍手の、まさに「渦」でした。「よかったね、おめでとう、ここまでつれてきてありがとう」そんないろんな感情が混ざり合った拍手が感じられましたが、こんなに鳴りやまない拍手、今まであったかな?とも感じました。

 

その後、途中のMCコーナーでは、今回卒業するグループ最古参の佐々木莉佳子さん(以後、りかこ)と他の1人(回替わり)でトークする形となっており、ご当地であることからりかこ×かわむーでトークが繰り広げられました。

自分の住み慣れた街を、アンジュルムの皆が一緒にいる事が不思議、というような話で、高知城に上った時に、自分の家がこの辺にある、とみんなに向かって指さしていたと言っていました。

それまで、沖縄ではみんなで遊んだ様子がSNSにあげられていましたが、ライブがあっても前日に丸々旅行するなんてあまり聞いた事がなく、今回は前日から色んなところをメンバー全員で満喫しており、かわむーだけでなく他のメンバーも「やっと来れた」という感覚だったと思います。これがただライブするだけだったら、その感動や思い出深さはいささか薄れたかもしれませんが、この形だから良かった!んだと思います。

かわむーはじめメンバー全員で高知を満喫し、ファンもまた思い思いに「#かむ高知観光」で次々発信、これが本当に良い流れだった事を感じました。景色を楽しむ人、食を楽しむ人、動物などと触れ合う人、かわむーの発信に忠実に再現する人もいれば、これとはちょっと違った発信をする人もありつつ、メンバーもファンも全力で楽しんだ、コンサート本編だけではない、そんな一連の流れがとても楽しく感じられました。

 

そしてライブは後半へと進み、やがて本編が終了、アンコールは「あやの」コールでした。

いつもの公演だと、ちょっと間を置いてから「アンジュールム」コールが起こるんですが、メンバーが袖へ捌けていくや間髪入れずに「あやの」コールが巻き起こり、息つく間もありませんでした。

 

そしてメンバーが再登場し1曲披露した後で、今日の感想として全員のコメントが話されていきました。

後輩メンバーから順に、「川村さん」に対する思い思いの言葉が綴られていきました。

川村さんが差し入れをくれたとか、旅の計画を立てて案内してくれたとか、川村さんの色をイメージして身につけたとか、この街に来て川村さんの人柄が形成された背景が分かった気がしたとか…。そんな中で川名凜さん(以後、ケロ)の「袖でわかにゃ(松本わかなさん)と居て、わかにゃが「今日は猛者が集結してる」と言ってました」とコメント。アンジュルムのコンサートで面白いのは、このMCにもあります。コメントがとにかく面白い、別にウケを狙っているとかではなく、ただ話している事が面白いのです。それは単に自分だけの事でなく、他者に向かっているという要素も多分にあると思います。そこで他のメンバーとの関係性も見えるし、ビジネスでない仲の良さも垣間見えて。

 

橋迫鈴さん(以後、りんちゃん)のコメントには桂浜水族館に行った話がありましたが、この時現地では、彼女が以前に表紙を飾った「ビバリウムガイド」という爬虫類情報誌?の編集長が特設コーナーを設置しトークショーをやっていたという事と、アンジュルムのライブに来るらしいとの情報があり、実際に終演後お見掛けしてビックリしました。自分と同年代(何なら同級)ですが、スリムでスーツのシルエットも、リーゼントもキマってて、そのへんのヲタクとは明らかに雰囲気の違った方でした。

 

そして後輩メンバーのコメントが終わった後は、かわむーの出番。

ここで長々と、自身のアイドル人生の原点から語られていきました。

小学4年生の時に、近所のスーパーの冷蔵庫と冷蔵庫の間で歌っていたのが、アイドル人生の始まりで、鰹が何かも分からないままに歌っていて、時には「邪魔」と言われる事もあった、と。

その後、この活動の為に周りとは違う人生を歩いてきて、すごく努力もしたけど、結果がついてこなかったりして、それまでの努力に疑問を持つこともあったけど、自分は「持って生まれたものだけではハロプロに入る事ができなかった」から、この努力が無駄ではなかったというような話や、昔は自分を照らしていたのは太陽の光だったが、今は照明さんが照らしてくれるスポットライトで、ステージは昔は自分で用意していたが、今はステージが与えられて、歌っていても「邪魔」と言われることはない、そんな環境がありがたい、ような事を語っていました。

彼女のストーリーは、ローカルアイドルどころかそれ以前のスーパーでお魚の歌を歌っていた原点から、様々な道のりを経て現在に至るので、それを通ってきての「念願の」オレンジホールでの単独公演、その事の意味をメンバーもファンも分かっているので、あの場で泣いてない人なんていないのではないか、というぐらいの雰囲気でした。なんなら、卒業も何もない武道館公演よりも、もっと素晴らしくもっと感動の大きい、熱い公演だったと感じます。

 

かわむーの泣きながらの長いコメントに拍手はしばらく鳴りやまず、ずっと拍手していたい、個人的にはそんな感情でした。

あまりに鳴りやまない拍手に、次に喋るリーダー・上國料萌衣さん(以後、かみこ)が話す機会を窺いながら切り出したのが「次、私ですいません」これでまた観客が笑いに。

かわむーの感動的すぎるストーリーを聞いた後に、ちょうどよい感じでした。

しかし、かみこはここで「かわむーは私にとって特別な存在」と言い切ったのが個人的にツボでした。瞬時に「夢組!」のフレーズが浮かびました。その夢組には現在「ME:I」でリーダーとして活躍する笠原桃奈さん(以後、桃奈)も称されていて、今はそれぞれで頑張っているけど、桃奈の託した想いもこのかみこ、かわむーの同級生コンビに乗せられているのだろうか?と感じました。

かみこが途中のMCで「かわむーと今度高知でキャンプに行く約束をした」と話していた時に、かみこと桃奈の「かみかさ双子」トークで、かみこがかわむーの加入当初からずっと「無人島へ行こう」と話していたのを思い出しました。

 

その無人島コメントは、↓この動画の2:24ごろから

 

最後莉佳子のコメント、かわむーとは同じようなカツオなどの海産物の多く獲れる港町の出身で、地元のアイドルとして活動してからハロプロ研修生を経てアンジュルムへ加入するなど、その過程に共通する部分が多く、かわむーのコメントを聞いて、同じような経験をしたりかこにしか分からない部分も少なからずあったと思います。

「かむは昔から活動していて、私からしたらこんな(上の世界にいる)人だったんです。わぁ川村文乃ちゃんだ、みたいに思っていた」とも言っていました。それがこの世界で同じグループになり活動できていることが不思議に思う、とも。

 

そんなこんなでラストの曲、いつも以上に皆の結束や楽しさが爆発していて、コメントに笑ったり、今回は特にほぼ全員感動しすぎて泣いたり、感情の忙しかった公演だと思います。

本当はまだまだ、その見ていた時々で感じた事もありましたが、ライブが終わると片っ端から忘れてしまい、なかなかそれらすべてを綴る事が難しいですが、1週間近く経った今頃こんなものを綴るのもなんですが、感動しすぎてそれ以外の感情がなかった昼公演について、まずは書きました。

 

 

ここからは、夜公演の話です。

 

あまりにも昼公演が感動すぎて、続いて観る人もいるだろうし夜公演は少しボルテージが落ちるのでは?と思っていました。

この公演は、りかこの400回目の公演という事で、「あやの、おかえり」と「りかこ400回」が開園前のコールで繰り返されていました。

そして、確かに初見の昼よりは少し落ちるかなと思いながら見ていて、自分の中ではややいつものような淡々とした感じに見えていました「途中までは」…

しかし…途中で「歌詞飛ばし?」と思われる無声の状態があり、よくよく見てみるとりかこがいなくなっていました。しかしそこはハロプロ、何事も起こってないかのように曲は中断なく続いていって、リーダーのかみこを中心に、りかこが抜けた穴を埋めていました。この公演はここからがドラマだった気がします。

 

なんとか曲のパフォーマンスを乗り切った後、中盤のトークコーナーで通常りかこと誰か1人、の構成ですが、そのりかこが離脱してしまい、急遽代役でかわむーと後藤花さん(以後、はなな)とのトークになり、高知観光の話をしていました。「あれ、楽しかったねー」「はーい、楽しかったですぅ」みたいな近所の大人と子どもみたいな会話が続き、裏で佐々木さんの抜けた穴をどう埋めるか?打ち合わせがされていたであろう事が感じられ、そのトーク時間は通常より長く取られ、2人が話している中へりんちゃんまで入り込み、3人でのトークとなっていました。

 

トーク明け、りかこは戻ってきてパフォーマンスをしていて、ただ歌パートは本人がそのまま歌った所と代役が務めた所があり、しかしたまに歌うと声が出きらず、そこで涙しながら必死にパフォーマンスしていました。身体は動いていたので、声が出なかったのかな?という感じで見ていましたが、本人は相当きつそうでした。

 

アンコール時は「あやの」「りかこ」の繰り返しでした。最後のコメントではりかこ本人が「かむの凱旋を邪魔して申し訳ない」というような発言を含め、終始泣きながらでした。ここでかわむーが「佐々木さんは、いてくれるだけでいいんですよ」とフォローするのがまた泣けました。

最後の最後の曲で、りかこが独唱するシーンは皆で歌っていて、いつもと違うけどいつもより感動するシーンでもありました。

 

最後は「あやの」コールが鳴りやまず、公演は終わったけど周りに帰る人が前々なく、この公演は夜公演に参加=遠征者は帰れないという前提もあったかもしれませんが、帰らない観客に鳴りやまないコール、これはダブルアンコールでかわむー再登場あるか?と期待してしまいましたが、遂に本人は現れず「本公演はすべて終了しました」と少し強めの語気で無情にもアナウンスされ、ファンの「あやーの最高!」や「ばんざーい」で終わりました。

裏では「あやーの最高!」のコールを受け、アンジュルムのメンバーが同じように楽屋付近でやっていた様子がInstagramにあがっていて、終演後は延々これを見ていました。

 

かわむーが長年願っていた公演、四国の奥にある高知という場所、土地柄等色々難しい面もあり、今回も3連休の方には最終日の晩は難しく、完売とまではいかなかったようですが、昼はほぼ完売し、興行的にも失敗はなく、これは是非とも次につながっていけば…と願ってやまないところです。