当時一度目に見た印象。
「...雰囲気すごい良かったのに、何か釈然としないエンディングだな。。。」
数年寝かせて二度目に見た印象。
「あ.................orz」
言いたい事の核心を理解し、初見の印象を抱いた自分を恥じて言葉を失う。
エンディングで大泣きw
三度目以降に観た印象。
もはや言葉は不要。作り手に身を委ね、いざなわれるがまま落ちていく。 恐らくこれこそが、自我を持った人間がギリギリ耐えられる限界・レッドゾーン。
そう言っても決して過言ではない究極の喪失感、虚脱感、罪悪感、孤独感を味わいながら、全く底の見えない奈落へと落下していく。ただ落とそうとするだけの下らない内容だったならば、その時点で踏みとどまり、いつでも引き返せた。
そうしなかったのは、この落下に関して喪失感・虚脱感・罪悪感・孤独感という”真っ暗闇”を味わいながらも、何故か一切の不快を伴わなかったから。むしろそれが俺にとっては、異常なほど気持ちよかった。初めての感覚。「つらいから涙が出るのか? 悲しいから涙が出るのか?」 どちらなのか自分でも判別出来ないもどかしさ。
だからこそ、この作品は観る人を選んでしまうだろう。ズッシリと重い、鉛のようにヘヴィーなこの暗闇を嫌う人達が居ても、至極当然だと思う。しかしこの暗闇を持った側面こそが、映画に置いても音楽に置いても、芸術の本質だと俺は思う。この波長が符合したからこそ、俺はこの映画が好きなんだと。
暗闇に差す一筋の光。
但しこの映画に関してはその「光」を自分で探さねばならない。もしそれを手に入れられた時、きっとこの作品があなたにとって無くてはならない物になるだろう。
[ 原作・脚本:押井 守 / 監督:沖浦 啓之 / 音楽:溝口 肇 ]
アニメーション映画作品 「人狼 JIN-ROH」 (2000年公開作品)
「誰かに突き落とされるのではなく、自分の意思で飛び込み、落ちろ。」 俺には観る度に、この映画がそう言っている様に聞こえます。観るのに覚悟が必要かと誤解されるかもしれませんが、その点で覚悟は必要ありません。むしろ全てを見終わった後に覚悟が要ります。
何故ならそこに広がる暗闇は、この作品が提示したり、押し付けたりして生まれたものでなはく、自分自身の闇だから。映画職人達の手で創られた虚構の空間は、そこに触れた各個人が持つ、様々な「虚無の概念」を引きずり出すための”器”であり、仕掛けに過ぎません。
自分の中に元来備わっていながら、普段は表に出ることのない部分的な闇。
「自分ではない者」と知覚してもおかしくない「自分自身」が唐突に現れ、それと真正面から向き合わせてくれる。逃げ場はありません。だからこそ衝撃を受ける。間違った表現かもしれませんが、「安全に」ショックを受けられます。
その根拠は何かって? 第一に、これはエンターテイメントを目的とした映画です。第二に、その「暗闇」は決して襲ってきたりはしません。ただ目の前に佇み、最後には抱擁するかのように、その持てる闇でそっと包んでくれるだけだからです。昼から夜に変わる様に。
自分の持つ「暗闇」と対峙した時、それを客観的に見て面白い・心地よいと楽しめる人ならば、間違いなくこの映画にハマります。自分の闇に慣れていない人だったら、恐らく3日間ほど立ち直れないかもしれませんw とは言え想像で申し訳ないですが、この作品は「暗闇に浸るのも立派なエンターテイメントだ!」 という基軸を含んでいると思うんですね。俺も激しくそう思いますw つーかそっちの方が好きだし。。。(ぼそw
映像から音が連想され、音楽から映像が想起される。両者は完全に連結し、そのどちらが欠けてもストーリーは成立しない.....。
神業の如き危ういバランスを見事に作品化した、比類なき映画です。先に書いた事を踏まえた上で、オススメですよw 普段アニメ映画とか観ない人でも、これは一見の価値があります。深遠かつ流麗な押井ワールドを、是非味わってみてください。押井さん最高!!
ああ、ひょっとしてここでブログ始めてから、初の映画レビューなんじゃないでしょうかこれわwww 稚拙なレビューだったかも知れませんが、読んでくれてありがとうですよ。何かこう、のめりこめるから楽しいなあレビューってw そんなこんなで、またちょくちょくご紹介させてくださいね。
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