以前、仕事でアメリカに1ヶ月ちょっと滞在する機会が有りました。
オバマ政権時代ですが、そこで経験したことを中心に書いてみます。
酒との付き合い方が上手なアメリカ人
アメリカと言えば、禁酒法時代が有名です。
アル中患者が多かったりと、飲酒が問題に成っていた20世紀初頭のアメリカ。
しびれを切らした連邦議会は、ついに禁酒法を制定しました。
酒の提供と販売を一切禁止にしたのです。
その結果、お酒を求める人々が、闇で売られる酒に手を出します。
闇のお酒を造って売っていたのがイタリア系のマフィアで、彼らは大儲けして一大勢力を築きます。
そのマフィアのボスとして有名なのがかの「アル・カポネ」です。
こうして反社会的勢力をのさばらせてしまったために、結局、禁酒法は廃止に追い込まれました。
こうした一連の苦い経験がアメリカ人には有り、彼らはお酒との付き合い方が上手になったのだと思います。
郊外のショッピングモールにあるBAR
アメリカ出張中の休日、郊外に有るショッピングモールを訪れました。
その入口付近にバーが有るのを見つけました。
モニターにMLBの試合が流される、明るい感じの店で、昼から人々がグラスを傾けていました。
しかし、ここは南部の田舎の郊外。
電車もバスすらも走っておらず、自転車ですら見かけません。
モールの客も、全員が車で来ているはずです。
運転手以外が飲んでるのかと思いきや、夫婦らしきカップルが二人とも飲んでいます。
後から聞いたのですが、アメリカでは(州によって多少は違う)飲酒運転の基準となる、アルコール血中濃度が緩めに設定されているとのこと。
基本的に、ビールをグラス2杯分飲んだくらいでは、検挙されないそうです。
5%以上のお酒が買えない
アメリカでも、コンビニ(郊外では必ずガソリンスタンドに併設)やスーパーでもアルコールは買えますが、アルコール濃度が5%以上のお酒は置いて有りません。
バドワイザーやスミノフのカクテルは置いて有りますが、全て4.9%以下になっています。
5%以上の強いお酒は、間隔にして数十キロづつ離れている、認定の酒店でしか買えないのです。
認定店は夕方で閉まるので、計画的に買いに行かないと買えません。
このように、まず日常生活から強いお酒は排除されています。
飲酒トラブルに厳しい企業と社会
ここ日本でもここ数年ほどで飲酒運転に厳しく成りましたが、アメリカではずっと厳しかったそうです。
飲酒運転や就業中の飲酒が発覚した場合、即解雇です(日本もほぼ一緒ですが)。
就業開始時のチェックも厳しいです。
飲酒が原因で起こした犯罪なども重罪です。
このように、少量の飲酒に関しては比較的に寛大ですが、深酒やそれに伴うトラブルには非常に厳しく、「酒はほどほどに」が社会的に徹底しているのが、アメリカの特徴です。
酒飲み天国(地獄)日本
それに対して、この国ではそこら中に有るコンビニで、24時間、強いお酒も買えてしまいます。
海外では基本的に禁止されている外での飲酒も可能。
40代以上なら経験有ると思いますが、10年以上前までは、飲酒運転にも寛大でした。
私も20年以上前、会社の忘年会が会社で開催され、皆車で帰宅していたのを思い出します。
コロナ渦の影響も有り、アルコール中毒者が増えているそうです。
明日はハロウィーンで、渋谷駅周辺では、お酒の販売が自粛されています。
日本でも、アルコールの販売方法などを見直し、アル中や飲酒による犯罪などを防ぐ対策が必要だと思います。