心の音 聞こえる音 音楽 | ハニービーは六角形

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名言格言、詩に短歌に俳句に都々逸に。
またときには筆者の雑記、日記として。
それが読んでくださる皆様の『何か』となれば幸いです。

 

心の音(声) 聞こえる音(声) 音楽

 

数年前、友人のそのまた友人の結婚式の音楽の制作の依頼をされた。

所謂、手作り結婚式というやつらしかった。

そのコンセプトで行くと音楽も手作りが良いという事なんだろうね。

友人の友人だから面識はあれど、深いお付き合いではないので

引き受けるか迷ったけど、友人たっての希望だったので受ける事にした。

 

曲を作るのに必要な最低限の情報を友人から手に入れて

結婚式まで時間がないというので早速取り掛かる。

音楽仲間に声をかけてコライトという手法でやると

曲の大筋だけを私が作っておけば

あとは担当楽器の人それぞれに任せてしまえるので楽なのだけど。

とか思いつつ。

 

ギターを抱えて数曲作り、メロディは忘れないように

ハミングの弾き語りを録音して曲のキーやコードも書いておく。

これが曲のタネとなるから大事。

で、3曲分のプリプロ(工程の準備。この場合なら録音工程)

まで1週間で仕上げた。

「疲れたーもうやだー」

と言いつつ、全然楽しい私。

で、次に一曲ずつドラムを打ち込んで曲に沿っているか確認。

OKだったのでベースを入れて確認。

これもOKなのでリズムギターを入れて確認。

リードギターを入れて確認。

ギター二つが嚙み合っているか確認してOK。

あとはシンセや生ピアノを入れたり

アコギを入れたり

パーカッションとかSE(サウンドエフェクト)

とかの飛び道具は曲によって入れていく。

 

「疲れたーもうほんとやだー」

と言いつつ、まだまだ全然楽しい私。

 

こんな作業をしながら詞も同時に作っていく

最低限の情報を私なりに最大限に膨らませて、詞を書いていく。

詞が出来たらそれを曲に乗せて軽く歌ってみる。

これを何度も繰り返しながら詞を変更したり、

時には、詞に合わせて録音し直したりして、

やっと歌入れをする。

歌入れはスタジオに行って使用時間内にハモリ迄入れる。

こうして

一曲の録音が終わる。

字に起こすとすごいめんどくさいよね。

でもまだ終わりじゃないのよー。

 

ミキシングというとてもめんどくさい作業が待っている。

録音が終わった物をいかに聴かせるかという作業。

録音したものをミックスしてみて

それぞれの音量やPAN(RL≪右左≫の分量)とか

各楽器にエフェクト(音響効果)とか

※カラオケのエコーみたいなもんです。

入れながら全体的にバランスがとれるように調整していく。

自分の曲を何度も何度も聞いて

ここだっ!!てというところでやっと

ミックスダウン。

一つひとつバラバラだったものをバランスを取って

それをひとまとめにする作業。

これが終わると

ミックスダウンしたものを

マスタリングと言ってさらに最終調整。

(ここの調整は2.1とか5.1サラウンドとかの聞こえ方みたいなものも含む)

実はここが一番ドキドキする

マスタリングに入って音が小さかったり間違いなんかを耳にしたら

録音からやり直しなので。まぁこれもOK。

で、私の持っている機材ではここでファイナライズ。

つまり終わりという事です。

 

こうして納期に間に合わせて聞いて貰って

OKなら渡します。

身内なので比較的簡単だったー。

 

楽しいという言葉とめんどくさいという心の声

どうすれば良くなるだろうと楽器から必死で最適音を見つけるの楽しい

という言葉とめんどくさいという実際に放つ自分の声。

それが音楽になるって結構感動する。

 

曲は作ったけど結婚式には呼ばれず。

どうやら友人の手柄になったようで。

私もいい加減お人よしが過ぎるね。

 

まぁでもそれが楽しい事は事実で

得意で、好きな事を一生懸命やるというのは

生きている感覚を確認できる。

 

今日なぜこの事を書いたかというと

自分らしく生きた心地がしたのは一体いつだったかなと思い出してて。

 

この出来事がふっと浮かんだ。

その時の充実感を得るために

生きているって自分は心底思えた。

 

音楽だけじゃなく絵だけでもなく字だけども無い。

全部やって楽しいなら

生きてる間に全部やるんだ。

 

思い出して良かった。

モチベーションが上がってきた気がする。