『山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず』 | ハニービーは六角形

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山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず

今日は孫武の孫子の軍争篇から金言をご紹介します。

原文

諸侯の謀を知らざる者は、予め交わること能わず。
山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず。
嚮導を用いざる者は、地の利を得ること能わず。

 

 

 

孫子はあくまで兵法なんでね。戦争の時どうすれば勝てるかというのが基本です。

ですから金言を少しずつ紐解いていくと結構、仕事でもPTAでも地域の使役でも役に立ちます。

 

例えば一行目の諸侯の謀を知らざる者は、予め交わること能わず。』

〈しょこうのはかりごとをしらざるものは、あらかじめまじわることあたわず〉

これは、諸外国、特に攻める国も含め、その周りの国々の王様とかが、どういう考え方をしているかもわからないで、簡単に同盟などは組めないよって事です。

つまり、相手を知るという事が肝要だって事です。

 

次に、二行目の山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず。』

〈さんりんけんそそたくのかたちをしらぬものは、ぐんをやることあたわず〉

これは、山林の地形やその険しさ川がどこに流れ湿地はどこにあるのか。そういう事を事前に知っておかないと軍はむやみに動かせないよって事です。

つまり、ロケハン大事だぜって事です。

 

最後に、三行目の『嚮導を用いざる者は、地の利を得ること能わず。』

〈きょうどうをもちいざるものは、ちのりをえることあたわず〉

これはその場所に詳しい道案内をしてくれる人を頼まなければ、地の利を得る事はできないよって事ですね。

つまり、ガイドさん結構大事って事。転じて餅は餅屋的な意味にも取れますよね。

 

私はこれらの孫子の兵法は兵法としてだけの価値では勿体ないと思っています。まぁだからビジネス書に孫子の兵法を使った書籍が山のようにある訳ですが。

 

個人のレベルまで落として考えてみると面白いですよ。

例)見目麗しいあの人とお近づきになりたいと思ったとします。そんな時、孫子の兵法発動!

まず、1:見目麗しいが、性格はどうか?年齢は?学生?社会人か?話してみて確認する。

   2:デートに行く約束が出来たとして、あらかじめコースを一日かけて回る。

    天候の事も考えて雨が降ったらBプラン、Cプランまで練るんだ!

   3:デートでディナーに誘えたとする。フレンチだ!イタリアンだ!わからないんだ!

    そういう時も予めお店に行って確認だ!わからない事はお店の人に聞くんだ!

 

どうですか、この万能さ。もうビックリして感動。孫子の兵法はありがたい教えですねー。

原文などはとっつきにくいかもしれませんが、だいぶ噛み砕いて説明している本は一杯ありますから、敬遠しないで読んでみたら案外面白いと思います。

 

私はたまに使うのが二行目です。デートとかではありませんが、粗相があってはいけない人などをお連れする場合、そのお店や場所は予め日を取って確認をします。それをやるだけでホームに相手を招き入れた気分になりますから、勝手のわからない相手にとって私は道案内。こちらも心に余裕ができてお互い良いお話ができ、良い時間を過ごせる。最高。

 

今でも応用が利くという事は、相当に優れた兵法という事と同時に、人はそんなに変わっていないという事でもありますよねー。車がEVになり、会計がキャッシュレスになり、身分証明がマイナンバーだけになっても、それを使う「人」は変わらない。感慨深いですねー。