「チャリティー演技会」と「メンシプ」についての感想を、最後まで書き終える前に…
9月21日(土)
能登半島地震の大きな傷跡が残る、輪島市・珠洲市・能登町一体の地域が
今度は、豪雨災害の脅威に晒されてしまいました。
震災の被害が特に大きく、ただでさえ復興の遅れが問題となっている地域に対して、さらに追い打ちを掛けるような大規模自然災害に
やっと復興に向けて前に進み始めた地域の方々のことを思うと、いたたまれない気持ちになります。
河川の氾濫や浸水が一旦落ち着いた地域でも、依然不安定な状況が続き、今後の土砂災害等、まだまだ警戒が必要な場所がたくさんあるようです。
個人的な話になりますが…
震災後の今年4月から、能登半島の富山県側の付け根にある高岡市へ赴任し、金沢市と両方の管轄で仕事をしている家族がいて
職場では21日も能登へ向かっていた人や、輪島に実家がある関係者の方もいるため
今回の豪雨で再び大きな被害が起こっている現状に、これ以上深刻な被害が出ないで欲しいという切実な願いと、復興がさらに遅れてしまうことを、とても危惧していました。
今回の災害に対する支援の輪も少しずつ広がっていて
多くのファンの方々が、寄付や支援を送られている様子も目にしていますが
先日の「能登半島復興支援チャリティー演技会」における収益の寄付についても
様々な手順を踏む必要があることも理解していますが、石川県を通じて被害を受けた地域へと、1日も早く支援が届くことを心から願っています。
― 以下、豪雨災害の発生前に書いていた文章なので、テンションがかなり違っているかと思いますが、内容はほとんど変えずに投稿しています ―
9月15日(日)
LIVE配信で観賞した
「能登半島復興支援チャリティー演技会」は
開催に携わった皆さんの想いが画面越しに伝わってくる、とても素敵な「チャリティー企画」でした。
あれから1週間。
驚くほどあっという間に日々が過ぎていきますが、自分用に少しずつ感想を…
鈴木明子さん振付の「オープニング」は
ブルーのシルエットが印象的な「チャリティTシャツ」が映える
和太鼓の力強さと、縦のリズムを意識した、とてもカッコいい演目でした。
和の音色に羽生君のシャープなキレのある演技が、本当によく合います。
中継先での
「輪島・和太鼓虎之助」さんの、リズミカルで力強い演奏も素晴らしく
中でも「鼓風舞」での、2人のぴったりと息の合った姿は圧巻でした。
能登高校「書道部」の皆さんの演目も
今井昴さんのパッション溢れる和太鼓にタイミングを合わせ、身体表現をしながらのパフォーマンスに
「書道」でありながら「演技」のようだと感じました。
無良君、あっこちゃん、さっとんのプログラムは
被災地の方々に寄り添い、優しさと思いやりに溢れ、心を込めて丁寧に演技していたのが印象的で
3人それぞれの良さが演技に表れていて、とても心が温かくなりました。
明るい照明の下で舞う
羽生君の「春よ来い」は
「繊細さ」と「スピード感」を、もの凄く高いレベルで融合させた
今まで以上に「力強さ」を感じるプログラムで
特に「東京ドーム」をきっかけに
演技を大きく見せることを意識して、身体の使い方も磨き続けてきた成果が
照明やプロジェクションマッピングによる演出が一切ないからこそ
とてもよく見え、より一層感じることが出来たように思います。
エンディング
ミセスの「ケセラセラ」は
困難な中でも前を向こうというメッセージ性に溢れ、スケーターの皆さんの明るい表情がとても印象的で
短い時間で振付を考え、たった1日でみんなで覚えて完成させたとは思えないほど、4人息の合ったプロフェッショナルな演技で魅了してくれて
その中でも、羽生君は「キレ」と「滑らかさ」を自在に操り
まるで彼が音楽を奏でているような、ずっと観ていたくなる本当に素晴しいプログラムでした。
全ての演技が終わった後、中継先の能登高校に繋いだ際のやり取りも
段取りのせいか緊張感からか、演技した皆さんのぎこちない様子がかえって微笑ましくて
震災後の苦労や心の傷を乗り越えて、仲間と共にあれだけのパフォーマンスを披露できるまでに努力を重ねてこれたのは
支えてくれる人達の存在があったからこそ、辛いことがたくさんあっても頑張り続けることが出来たからで
その上で今の自分達の活動があり、無事この日を迎えられたのだと
そういった感謝の想いが、言葉だけではなく
皆さん一人一人の表情にも表れているように思えました。
書道部 指導者の先生のお話も、とても心に響く言葉で
その言葉を聞いていた羽生君が少しだけ目を潤ませ、言葉では言い表せないような表情をしていたのが心に残っていて…
「挑戦」とは、もしかしたら「自分を信じること」
そして
「自分を信じること」とは「自分を愛すること」
そうすれば、いろんなことにチャレンジして
「自分自身の限界を打ち破る」ことができるんじゃないか、という言葉が
自らに厳し過ぎるあまり
「自分を愛すること」をしてこれなかった彼の、心の奥深くにある傷のかさぶたにも、そっと触れたような気がしました。
「能登のために何か出来ることはありませんか」という羽生君の言葉から開催が実現した
今回の「チャリティー演技会」
能登地方の方達が震災後の大変な状況の中で、様々な困難を乗り越えながら努力を続けてきた結果を
「LIVE配信」という形で、日本中に届けられたこと
地元の方々が主体となり、華美でなく
手作りの温かさとチャリティーの意義がしっかりと伝わってきた今回の企画は
能登の皆さんの「挑戦」をメインに
羽生君を初めスケーターの皆さんが、その「挑戦」を後押しするような
そんな意味合いの
「チャリティー演技会」だったと、LIVE配信を観覧して思いました。
だからこそ
あの「春よ来い」は、今までのどの演技よりも力強く
春が来るのを
「待ち焦がれる」ような演技では決してなく
「春は必ず訪れるよ」と
そんな彼からのメッセージが込められていたような気がしています。
そして演技会当日の深夜
きっと、とても疲れているにも関わらず
羽生君はメンシプへ
「感想動画」とUPのお知らせを兼ねた「投稿」もしてくれました。
まず最初に、今回の「チャリティー演技会」に参加してくれた人だけでなく
様々な状況のメンバーへ配慮をした上で、感謝の気持ちを伝えてくれた彼の気遣いに、いつもながら心を打たれます。
1回目に見た時は途中で眠ってしまいそうなくらい、もの凄く疲れているのではないかと心配しましたが
とても安心してリラックスした感じで話してくれている様子に
ずっと願っていた「能登地方への支援」が、一つの形として叶ったこと
この「チャリティー演技会」が、たくさんの方々の協力のもと無事に終了した安堵感と
仲間達と一緒に「想い」を届けられたという喜びや嬉しさを感じているのが、動画から伝わってきました。
「春よ来い」での上半身の動きの進化について
演技を観ていて感じたのは、今までよりも腕を肩から動かしていたのが印象に残っていて
以前TVで「アーティスティックスイミング」の方が話していたのが
演技を大きく見せるために腕を真っ直ぐ伸ばすだけではなく、肩の付け根から伸ばすことによって、さらに大きな身体表現が可能になり
腕だけが独立した演技ではなく、上半身と繋がった一つの流れとして
より一体感のある表現となるという説明と、共通する部分があるように感じています。
そして今回の出演に向けて、肩周りの筋肉が凄く付いていたようにも見えました。
「ケセラセラ」の振付や演技についても、とても詳しく話してくれて
拘りが詰め込まれたエンディングと、やり切れた満足感に溢れた表情に
あの素晴らしいスケートを見せてもらえたことを、とても幸せに思いました。
― 改めて追加で ―
能登半島復興支援のためのチャリティー演技会から、1週間も経たずに起こってしまった豪雨災害に
演技会へ出演された方達や「news every.」で出会った人々、被災地で暮らすファンを含め、具体的な人達のことが頭に浮かぶことで
彼の心の痛みや辛さも、余計に強くなっているのではないかと想像してしまいます。
それでも羽生君が、これから先も能登への応援を願っているからこそ
今回の豪雨災害についても、世界中のファンへと支援の輪が広がっている事実に、改めて彼の影響力の大きさを感じ
羽生君の被災地支援の活動、復興への想いが
人々の支援へ踏み出す一歩に、そっと力を与えてくれていて
一人一人の力は小さくても、たくさんのファンによって目に見える形での大きな応援となっていることが本当に素晴しいことで
それこそが、彼がプロになってから
したいと考えていた、支援活動の形なのだと思います。
能登地方で生活されている方々、本当に大変で苦しい状況だと想像することしか出来ませんが
どうかこれ以上被害が拡大しませんようにと願うばかりです。
私個人が出来ることは本当に僅かですが、遠く離れた場所から応援しています。