自力(東洋医学や伝統医学)を選択するとき、「あたま」の考えで「みずから」治そうとあれこれ考えたことが治癒の邪魔をすることがあります。そこで、いのちが持つ「おのずから」治るプロセス(自然治癒力)に身を委ねることが大切な場合もあります(一晩寝たら調子がよくなった場合などがそうですね)。そして、「自力」での治癒が限界と知ったときには、「他力」、つまり他者に頼ればいいのです。



ただ、西洋医学を含め他者に委ねてもうまくいかない場合もあります。一方で、本人も周囲も誰もが諦めかけたときに、「自力」や「他力」を超えた「絶対他力」の領域で「いのちの力」としか言いえない力で治癒へと向かうことがあるのも事実です。
自身の力で「治る」こと、他者の力で「治す」こと、いずれも必要です。ただ、それだけではなく、あなたの「からだ」や「こころ」の奥深くに息づいている森や海や山のような「自然(じねん)」の働きに目を向けることも大切です。
現代を生きる私たちには、「からだ」と「こころ」の変化を理解できない「あたま」が主導権を握ってしまい、「自然(じねん)」の力がうまく働かない場合が多くあります。そうならないためには、どのような力が必要なのでしょうか。
私たちが「からだ」や「こころ」に主導権を取り戻すための大きな手がかりとなるのは「違和感」です。
違和感とは、自分にとって何かがズレているという感覚です。違和感を覚えたら、そのときがチャンスです。見逃すことなくその正体が何なのかを考えてみてください。
「違和感」を探るときのポイントが二つあります。一つは、その違和感の場所を具体的に言葉にしてみることです。そして、もう一つは違和感をオノマトペで表現してみることです。
「ズキズキ」「ムカムカ」「イガイガ」「シクシク」「ジンジン」「チクチク」
このようなオノマトペには、それ自体に意味があるわけではないのに、口にしただけで身体的な感覚が伴う不思議さがあります。
からだとこころの健康学(NHK出版)