〔英 Being fired or laid off〕
具体的な状況
・人事評価が低いことを理由に解雇される。
・部署が縮小された、あるいは職務がアウトソースされたためレイオフされる。
・人事評価が低い、アルコールなどの依存症にかかっているため仕事に悪影響が出ている、信頼できないなどの理由で解雇される。
・もうすぐ子どもが生まれる、マイホームを購入したばかり、といった大事なときに職を失う。
・会社にとって社員が経済的負担になっているため、合法的に解雇される(健康上の理由で長期病気休暇が必要、または頻繁に病気欠勤する必要がある場合など)。
・企業が合併し、一方の企業の社員の大半が職を失う。
・上司と衝突し(合法的または非合法的に)解雇される。
この事例で損なわれる欲求
生理的欲求、安全・安心、帰属意識・愛、承認・尊重、自己実現
キャラクターに生じる思い込み
・「解雇されないようにするには、誰よりも一生懸命働かなければならない」
・「会社がやっていることに反対するより、チームプレーヤーでいたほうが安全だ」
・「能力が全然足りていないのに、この分野でキャリアを積もうとした自分が愚かだった」
・「家族を養えない自分に価値なんてない」
・「自分は使いものにならない人間なんだ。そして会社はそれを知っている」
・「無職になった自分なんて誰も尊敬してくれないよ」
・「仕事にしがみつくためなら何だってする」
キャラクターが抱く不安
・「リスクを負うのは嫌だ。特に経済的なリスクは勘弁してほしい」
・「新しい仕事で何か間違ったことを言ったり、してしまったりしたらどうしよう」
・「もしかして自分は仕事で大した成果を出していないのかもしれない」
・「解雇されたら家計が苦しくなるし、結婚生活にもひびが入って、妻に逃げられでもしたらどうしよう」
・「新しい職に就いたはいいけど、会社の幹部交代があったし、買収の可能性もなきにしもあらずだし、新技術が開発されて今の仕事もなくなってしまうかもしれないな・・・・・・」
・「無職の間に借金がかさんでいったら大変だ」
・「無職になったから、妻や子ども、両親、近所の人、それに友人から尊敬されなくなるかもしれないな」
・「新しい仕事が見つからなかったらどうしよう」
行動基準の変化
・解雇されたことを人に言えなくて、今も仕事をしているふりをする。
・怒りまたは裏切られた気持ちから、雇用主に対して誠実ではなくなる。
・自分にも非があるかもしれないのに、まったく身に覚えがなく解雇されたと主張する。
・何か仕事はないかと昔の同僚や上司あるいは友人知人に連絡を取る。
・自分の特技や能力を誇張して履歴書を書く。
・不安症や鬱になり、低い自尊心に悩まされる。
・自分の能力とはかけ離れた職務内容であっても履歴書を送る(経済的に追い込まれている場合)。
・新しい仕事に就いたものの、危なっかしい状況になって会社に虚偽の報告をしてしまう。
・体調不良、非現実的な締め切りなど、苦痛を会社に訴えて調査されるよりは隠し通す。
・お金のことを心配し、家計を気にする。
・職の安定と雇用主を満足させることが自己価値につながるようになる。
・職場での自分の価値を高め、仕事への献身ぶりをアピールするために遅くまで仕事をする。
・人に好印象を与えたくて外見に細かく気を遣うようになる。
・職場で倫理に反する問題が起きても見て見ぬふりをする。
・会社の幹部にいつも同意してばかりの「イエスマン」になる。
・仕事に関して「よくやっているね」と常に褒めてもらいたくなる。
・人より頑張っていることをアピールしたくて、シフトを追加し、休日や祝日も働くようになる。
・何かがあったときのために副業も始め、貯蓄に励む。
・家に仕事を持ち帰り、ワーク・ライフ・バランスを崩す。
・仕事にコミットしすぎて家族と一緒に過ごす時間を犠牲にする。
・面白くない仕事でも安定しているし給料もちゃんともらえるという理由で、その仕事にしがみつく。
・職場で手持ち無沙汰な時間が出たとき、または有給を取らなくてはならないとき、罪悪感を持つ。
・自分がいかに多くの仕事量をこなしているか雇用主や同僚にアピールする。
・雇用主や上司に媚びる。
・自分ができることを証明したくて、自分には合わない仕事内容かもしれないのに、注目度の高いプロジェクトをやる。
・他人の言い成りになるより、個人事業主の道を選ぶ。
・仕事を自分の存在価値や自尊心に結びつけず、もっと健全な見方をするようになる。
この事例が形作るキャラクターの人格
ポジティブな人格
用心深い、協調性が高い、礼儀正しい、効率的、熱心、気高い、勤勉、忠実、情け深い、プロフェッショナル、臨機応変、賢明
ネガティブな人格
依存症、不安症、執拗、完璧主義、恨みがましい、自滅的、けち、非倫理的、意気地なし、仕事中毒、心配症
トラウマを悪化させる引き金となる出来事
・会社の事業縮小とレイオフの噂を耳にする。
・新しい上司のもとで働くことになったが、その上司には気に入っている部下がいる。
・人事評価レポートを受け取ったが、評価が低かった。
・会社が合併し、同じ仕事を続けられるかどうか、社内に不安が広がる。
・人事評価が悪すぎて観察処分を受ける。
・長年勤めて忠誠を尽くしてきた会社に親がレイオフされてしまう。
トラウマと向き合う/克服する場面
・マイホームの購入、高額の医療費、配偶者のレイオフなど、思いがけない経済的困難が立ちはだかり、自分の仕事を失わないようにしなければ、とあらためて思う。
・前回解雇されて以来「どうせまたクビになる」と否定的な態度でいたら、また解雇されてしまい、思い込むとそのとおりの事態になることに気付く。
・結婚後、経済的困難がのしかかり、自分だけが家計を負担させられているのは不公平だと思うようになる。
トラウマ類語辞典
(フィルムアート社)