生きるか死ぬかの厳しい生活環境の中、荒野を開拓してきたアメリカ人にとって、日々の生活と関係ないデカルトやプラトンの哲学は真理ではありませんでした。このような伝統的なアメリカのフロンティア精神にプラグマティズムは基づいています。
突き詰めて考えると、人間の行動はすべて、置かれた状況に対する適応反応だとデューイは考えます。困難を避け、つねによりよい状況を作り出す行動をするという意味では、人間も他の生物とまったく同じです。
けれども人間は困難を回避するために道具を使います。そして、最もすばらしい道具が知識だと彼は言います。知識という道具も他の道具と同じように、そのものに価値はなく、使った結果の有用性にあるのです。知識に対するこうした考えをプラグマティズムの中でも特に道具主義といいます。
何か問題が起きたら、状況を観察し、解決の見通しを立て、求める結果に近づいていく過程で、真理は獲得されていくとデューイは考えます。そこで重要なことは、つねに行動(実践)をすることです。実践を取り入れた試行錯誤なしに、絶対に真理は得られないとデューイは言います。真理は頭の中だけで得られるものではありません。
行動によって得た知識は私たちの視野を広げ、新しい人間性へ導くとデューイは言います。このように獲得された知性を創造的知性と彼は名付けました。
創造的知性と、知識はつねに疑いうるとする可謬主義は、「為すことによって学ぶ」という言葉で、英米の学校教育者に問題解決の基本として共有されています。
=メモ=
「実践的知性」ともいう。デューイは、教育で創造的知性を養うことが、民主主義の基礎になると考えた
続哲学用語図鑑 中国・日本・英米分析哲学編 (プレジデント社)