老子は、足るを知る(満足することを知る)ことが大切だと言います(知足)。ほどほどを知っていれば恥をかくこともありませんし、危険な目にもあいません。

逆に、最高で最大の状態は大きな危険をともないます。容器いっぱいに水が満たされていれば、すぐに溢れるし、刃物も研ぎすぎれば折れやすくなると老子は説きます。大きな名誉や財産は、失いやすいばかりか、執着すればするほど、失ったときの落ち込みも大きくなります。

=メモ=
「足るを知る者は富み」(第33章)、「禍は足るを知らざるより大なるはなし」(第44章)、「足るを知れば辱められず」(第46章)など、「知足」の表現は『老子』の随所に登場する


続哲学用語図鑑  中国・日本・英米分析哲学編  (プレジデント社)