ダーウィンの進化論によれば、環境に適した個体は生き残り、適さない個体は淘汰されます。けれどもベルクソンは、生命の進化をこのような自然淘汰では捉えませんでした。
ベルクソンは進化を外側からではなく生命の内側から考えます。生命に内在する「よりよく生きたい」というエネルギーが、それまでの方法では環境に適合できなくなったとき、エラン・ヴィタール(生の躍動)という爆発を起こし、予測不可能な新種を生むと彼は言います(創造的進化)。生命は、内在しているエネルギーが現実化することで進化するのです。
ベルクソンによれば、原始から存在するエネルギーはエラン・ヴィタールを繰り返し、今に至りました。よりよく生きるために知性を進化させたのが人間で、本能を進化させたのが人間以外の動物です。そして、動物の本能を人間の知性で意識化したものが直観です。この直観を使えば、カントが到達不可能とした物自体をも捉えることができると彼は主張します。
続哲学用語図鑑 中国・日本・英米分析哲学編 (プレジデント社)