アーユルヴェーダでは、微細なとるにたりない物質が、ある状況に影響をおよぼすといわれています。その哲学は、もっとも微細なレベルの認識から始まり、次には意識となり、だんだんはっきりしてくるにつれて、私たちにも感覚として感知できるようになります。この微細および粗大レベルは、私たちの中で互いに関係し、影響しあっているのです。
量的な分析と質的な分析は対立しあうものではなく、ただ物事の2つの違った側面であるだけであり、大切なのは、時と場合によって、どちらの方法が向いているか知ることです。病気はたいてい、環境や感情の面から説明することができます。たとえば、疲労などをはっきりと定義することはむずかしくても、経験する環境の性質をあげることはできるでしょう。アーユルヴェーダでは、質的な分析を使って健康を取り戻すために役立つ方法を決定します。
チャラカ・サンヒターによれば、私たちは10対の基本的性質を通じて、あらゆる経験をします。各対はひとつの連続体の両極端をあらわします。
その関係は、アーユルヴェーダの基本法則の中の2つの根本原理、“同じ性質のものはその性質を強めあう” “反対の性質のものを弱めあう”、という原理であらわすことができます。
質的な分析の世界では、すべてが相対的に存在し、絶対的なものは存在しません。“熱い” ものは、より冷たいものと比較した時のみ熱いのです。何かの性質を査定する時には、常に前後関係や以前の情況を考慮しなくてはなりません。異なった性質の間の関係や相互作用も重要です。同じ性質が、2つの物質に違った影響を与えることもあります。たとえば、熱はパンに乾燥の性質を与えますが、バターには液体の性質を与えます。性質の面から人々を見ることを知れば、なぜ一人ひとりが違っていて、刺激やできごとに対してまちまちの反応するのかがはっきりしてくるでしょう。
◼︎10対の性質
重 / 軽
冷 / 熱
すべすべ / ざらざら
鈍 / 鋭
静 / 動
柔 / 剛
不粘 / 粘
滑らかさ / 粗さ
微小 / 粗大
固体性 / 液体性
◼︎大元素の性質
空 … 微小
風 … 軽・動・ざらざら
火 … 熱・軽・鋭・液体性
水 … 冷・液体性・柔・滑らかさ
地 … 重・固体性・静
本当の自分を取りもどすアーユルヴェーダ (産調出版)