⚪️脳全体の重さ
男性 : 1350~1400g
女性 : 1200~1250g
⚪️終脳(大脳)
前後径(矢状径) 約17cm, 左右径(幅) 約13cm
重さ 脳全体の重さの約80%
⚪️小脳
最大横径 約10cm
重さ 脳全体の重さの約10%
脳は、原始的な脳とも考えられる脊髄を原型としてその上方に発生・発達した器官であり、髄膜(硬膜、くも膜、軟膜)に包まれて頭蓋腔に収容され、頭蓋によって保護されている。脳は、全身から伝えられる感覚刺激を解析・判断し、全身の筋や腺に運動指令を与える最高中枢であり、脊髄とともに中枢神経系とよばれる。脳と脊髄に連絡する脳神経と脊髄神経は末梢神経系とよばれる。
脳は、終脳、間脳、小脳、脳幹に区分される。
◼︎終脳
【大脳半球】 終脳は脳の上端にあり、通常は大脳とよばれる。終脳は縦に走る深い溝(大脳縦裂)によって左右の大脳半球に分けられるが、深部では脳梁などで結びついている。また、水平に走る深い溝(大脳横裂)によって小脳と分けられている。大脳半球はほかの脳部より圧倒的に大きく、間脳だけでなく脳幹・小脳の上半分をおおいかくしている。
【大脳皮質・髄質と大脳基底核】 大脳半球は、外套とそれに包まれる深部の大脳基底核(大脳核)からできている。外套は表層の大脳皮質と深層の大脳髄質に分けられ、神経細胞体が密集する皮質は灰白質、神経線維が集合する髄質は白質とよばれる。皮質の90%は高次脳機能をいとなむ新皮質が占めている。大脳半球の底面や内側面の一部を占める古皮質と原皮質(辺縁葉)は大脳辺縁系とよばれ、嗅覚、情動、本能、記憶の中枢である。皮質の各部位(皮質野)には機能の異なる中枢があり、これを機能局在という。髄質には、大脳半球内や大脳半球とほかの脳部・脊髄とを連絡する線維路がある。大脳基底核は大脳半球深部にある灰白質の塊(神経核)で、扁桃体、尾状核、被殻、淡蒼球、前障に区分される。大脳基底核は、骨格筋の協調運動を無意識的・反射的に調節する錐体外路系の中枢と考えられている。
【大脳溝と大脳回】 大脳半球の表面には大脳溝とよばれる多数の溝があり、溝と溝の間の高まりは大脳回とよばれる。溝の奥にかくれている皮質を合わせると、成人では左右の大脳半球の表面積は約1500㎠になるといわれる。大脳溝には、個体差が少なく各人に共通する1次溝と、個体差のはげしい2次溝がある。
【葉の区分】 大脳半球の新皮質は、いくつかの1次溝によって前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉の4つの葉に分けられる。外側面では、前頭葉と頭頂葉を分けるのは中心溝(ローランド溝)、前頭葉・頭頂葉と側頭葉を分けるのは外側溝(シルビウス溝)である。頭頂葉と後頭葉、後頭葉と側頭葉を明瞭に分ける溝はなく、頭頂後頭溝と後頭前切痕を結んだ仮線を境界とする。外側溝の深部には島があるが、成人では表面からはみえない。
◼︎間脳
間脳は終脳と中脳の間にある脳部で、第3脳室を取り囲む壁にあたり、視床(視床脳)と視床下部に分けられる。視床は視床上部、背側視床、腹側視床に区分される。背側視床は間脳中最大の灰白質で、単に視床という場合は背側視床を指す。体性の感覚刺激は、おもに背側視床内部の視床核を中継して大脳皮質に伝えられる。視床下部は脳室周囲層、内側野、外側野に区分され、各領域に多数の核がある。自律神経系の中枢と考えられ、下垂体とともに内分泌系をコントロールし、情動機能にも関与する。
◼︎小脳
小脳は脳幹の後方にあり、内耳の前庭・半規管から伝えられる平衡感覚刺激や骨格筋・腱・骨・関節から伝えられる深部感覚刺激を受けて、全身のバランスや姿勢を保ち、運動機能の調節をおこなっている。小脳は虫部と左右の小脳半球からできており、表面は灰白質(小脳皮質)でおおわれ、その下に白質がある。中心部の大きな白質の塊(髄体)から皮質の間へ入り込む白質は、白質板とよばれる。髄体の深部には4つの小脳核がある。皮質は多数の小脳溝によって小脳回に細分される。とくに深い溝は裂とよばれ、水平裂は小脳を上面と下面に、第1裂は小脳を前葉(古小脳)と後葉(新小脳)に分け、後外側裂は平衡脳とよばれる片葉小節葉(原小脳)を後葉から区分する。
◼︎脳幹
中脳、橋、延髄を合わせて脳幹という。脳幹には、脊髄と終脳、間脳、小脳とを連絡する線維路と、網様体に代表されるような生命維持に不可欠な呼吸、循環、意識、覚醒・睡眠、排尿反射などの諸中枢がある。終脳から出る嗅神経と間脳から出る視神経をのぞく10対の脳神経は、脳幹から出る。
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