⚪️大きさ
長径 約14cm, 短径 約10cm, 前後径(厚さ) 約8cm
⚪️重さ
250~300g
⚪️心拍数
70~75/分(安静時)
⚪️心拍出量
約5ℓ/分(安静時)
心臓は、胸腔の中央よりやや左側に位置する筋性の中空器官であり、全身の血液循環に不可欠なポンプ装置として、収縮と弛緩をくりかえして血液を拍出している。
【位置と形】 心臓は、左右を肺に、前面を胸骨と肋骨に、後面を食道に、下面を横隔膜に接している。心臓の大きさは握りこぶしほどで、丸みをおびた円錐を倒したような形をしている。左前方に向いた尖端を心尖、右後方に向いた後面を心底という。心臓壁は心筋層からできており、その内面を心内膜が、外面を心外膜がおおっている。
【心房と心室】 心臓は、血液を受け入れる左右の心房と、血液を送り出す左右の心室からできている。心房と心房の間は心房中隔で、心室と心室の間は心室中隔で仕切られているが、心房と心室の間には房室弁(三尖弁と僧帽弁)が、心室と動脈の間には動脈弁(肺動脈弁と大動脈弁)があり、それらの開閉によって血液は一定方向に流れる。
【肺循環と体循環】 全身の組織から二酸化炭素を受け取った血液(静脈血)は、上下の大静脈から右心房にもどり、三尖弁が開くと右心室に流れ込む。右心室に血液が充満すると肺動脈弁が開き、血液は肺へ送り出される。
肺でのガス交換によって豊富な酸素をふくんだ血液(動脈血)は、左右の肺から出た上下2本ずつの肺静脈から左心房にもどり、僧帽弁(二尖弁)が開くと左心室に流れ込む。左心室に血液が充満すると大動脈弁が開き、血液は全身へ送り出される。
静脈血を受け入れて肺へ送る右心房と右心室は右心、動脈血を受け入れて全身へ送る左心房と左心室は左心とよばれる。
右心室から肺動脈→肺→肺静脈→左心房に至る血液の流れを肺循環(小循環)、左心室から大動脈→全身の組織→大静脈→右心房に至る血液の流れを体循環(大循環)という。
【心周期】 1回の心拍動で心房や心室が収縮・弛緩する過程を心周期という。心周期の長さは、1分間の拍動数(心拍数)を75とするとわずか0.8秒ほどである。心房や心室が収縮している時期を収縮期、心房や心室が弛緩して血液の流入によって拡張している時期を拡張期とよぶが、全身に血液を送りだすポンプ機能のほとんどを心室が担っているので、たんに収縮期・拡張期というときには心室の場合を指す。刺激伝導系の興奮が心房から心室へ伝わるまでの時間的な差によって、心房の収縮・拡張期と心室の収縮・拡張期にはずれが生じる。心房が収縮すると血液は心房から心室へ送られ、心房が拡張すると血液は心室に充満する。心室が収縮すると血液は心室から大動脈や肺動脈に拍出され、心室が拡張すると大静脈や肺静脈から心房へ血液が流入する。
【心臓の神経】 心臓は刺激伝導系によって自動的に拍動するが、自律神経系(交感神経と副交感神経)による影響も受けている。交感神経には心拍数を増加させ、心房や心室の筋の収縮力を高める作用があり、副交感神経(迷走神経に混在する)には心拍数を減少させ、心房の筋の収縮力を低下させる作用がある。
新版からだの地図帳(講談社)