
吉村昭さんの著書「闇を裂く道」
史実に基づいています。
今でも使われているJR東海、東海道本線の来宮ー函南の間にある丹那トンネルを掘った時のお話です。
神奈川以西に鉄道で行くのには、この丹那トンネルが出来るまでは、神奈川の国府津から御殿場に登って沼津へ降りる(現在の御殿場線)遠回りのルートしかありませんでした。
「ここにトンネルを掘っちゃえば、すんごいショートカット!めっちゃ輸送量も増えてウハウハ儲かるやん」ってことで工事が決まりました。
でも、本になるくらいですから、何の問題もなくホイホイと掘れた訳がありません。
難題続出です。
一番のヤマ場は地震です。
坑道を横切る様に断層が走っていたらしく、地震で、その断層が坑道の幅以上ズレてしまい、掘ったはずの坑道のその先が消えちゃった、ってところです。
で、行って来ました。



北伊豆地震っていうのが、この本に出て来る地震です。

左右で全然地質が違います。
この縦ラインが断層です。
これが上下にズレると隆起や陥没。
この北伊豆地震では水平方向にズレました。

元々は石垣が一直線だったらしいです。
ズレてます。

元々は畑の中にあったゴミ捨て場を丸く囲った石垣だったそうです。
石で作った円が真っ二つ。
ズレてます。
そして、この2枚の写真のズレている箇所は、みごとに直線上にあります。
地面がこんなに動くなんて。
自然のエネルギーはすごいですね。
人間のチカラなんてちっぽけです。
工事中には、他のアクシデントもあり、殉職者も出ています。
熱海側の来宮口には慰霊塔があり、毎年慰霊祭が行われています。
今度は、そこにも行ってみよう。
この方達のおかげで、今の便利な生活を手に入れられたのだからね。
