fairy tail tuned by ホシノオタヨリ
月一くらいの頻度で2019年は試験的に書いています



自分が読みたい
おとぎ話 あったらいいなぁと思いまして。



新月の日にお届けいたします 
どうぞ〜
























どうやってここについたか


どうしてここにいるのか









分からない







気づいたら
ぼくはここに立って
知らない人たちに囲まれていた






興味の眼差しが注がれる





どこからきたの?
なにしにきたの?





頭が少しぼーっとする
記憶が脳にちらつく
幻影のように目の前の人たちが
チカチカするなか




ぼくは出口に向かって歩きはじめた





いま一番必要なのは
静かな時間と
いっぱいの水が欲しい






壁までたどり着いて
一息つく




たくさんのそこにいる人たちは
他にも興味のあるもので満たされているその空間を
行ったり来たりグラスを片手に
話に夢中になっている





ふと気づくと目の前に僕よりも頭一個分小さな
鋭い目をした女の子がぼくを睨みつけるように立っていた





すると女の子が突然手を差し出して
ぼくの腕を掴んでグイグイ引っ張って歩きはじめた





ぼくは一瞬突拍子のなさにふらついて転びかけたけど
それでも女の子に連れていかれるがまま歩いた




狭い入り口のような先に続く細い通路




そこにも飲み物を片手に楽しそうにしている男と女が何人か、ぼくたちが通るのを怪訝そうに横目で見ていた




歩いた先にはひとつの扉があった
そこには深い紫色の美しいフードを被った女が立っていてぼくらをみた。というよりぼくをみた。




女の子は相変わらず怖い目つきでぼくに一瞥をくれると掴んでいた手をさっと離した





そして扉を開けてひとり向こう側へ消えていった





扉がバタンと閉まり
そこには美しい紫色のフードを深く被った女とぼくが立っていた





長い沈黙のようにぼくには感じたが
口を開いたのはぼくだった




あの.....





すると女は間髪入れずにうるさい音でたまたまなった通信機を取り出すと耳に当てて話しはじめた




外国の言葉だ




ものすごい勢いでまくしたてている
少し怒っているようにも感じる勢いのある言葉だった
でもなにを言っているのかさっぱりわからない




ぼくは今更ながら我に返って少し恐怖を感じた
後ろを振り返ると長い通路が続いていて
そこにはひとはもういなかった
ダッシュすればさっきのパーティみたいなクレイジーな会場に戻る?
女は追いかけてくるのか?




そんなことを考えてふと女を見ると
女と目があった
そして女が微笑んだようにみえた
女は最後に一言何か言うと、通信機を切った。




ぼくは一歩後ろに下がる。




すると女が言った。




あなたの力を貸してほしいの。





私と一緒にこの先へ来てくれないかしら?





そう扉を指した。




いったい、なにが起こったのですか?
あなたは誰?





ぼくは聞いた。




ああ、挨拶が遅れてごめんなさい。
そう言って女は自分の身なりをさっさと整える風にして、改まった。



わたしはエル。
電気テクノロジーの研究員よ。
いま大きなプロジェクトがうごいているのだけど
そこであなたの力を貸してほしいの。
ほらあなたは有名な....。
そこでエルは言葉を濁して、目を伏せながら言っていいのかどうかを困っているようにみえた。




ぼくはいまエルが話したことを聞いていたが
ひとつ重大な事実に気づいた。




それはエルはぼくを電気テクノロジーの何たらかんたら、有名な、、、と言ったが
ぼくにはその記憶が一切なかった




過去を思い出そうとすることも無意味に思えたが
自分について過去の記録で思い返せるものがいま脳に残っているとしたら
なにかものすごい光の発光が徐々に大きくなって
真っ白になって全てが消えた
その映像だけがぼくの脳には残っていた






エルは1人仕切り直したように
黙っているぼくをみてまた話しはじめた





そう、だからあなたをうちで雇いたいの
雇うと言うかパートナーとしてチームに加わってほしいんだけど。
とりあえず、ここ変な空間よね。
もう少し扉を抜けていくと
わたしたちの世界に着くから。
ね、どう?悪い話じゃないでしょ?





ぼくはふぅと息をついた。

怪しい。怪しすぎる。
いったい突然なにがどうなったらこんな話の展開になるんだ?




もう思考が現実に追いつかないほど
ファンタジーの世界の話が広がっているように思えた




ぼくは混乱していた。
でもひとつだけ分かっていた。




それはここで止まっていてもなにも分からない。
この扉を進もう。
それだけが今のぼくの分かっていることだった。





ぼくは一歩前に出て
ぼくの返事を静かに待つエルに言った。




ぼくの名前を教えて?




エルは一瞬ぼくを怪訝そうに見つめたが、ふっと肩の力を抜いてにこっと笑った。



「ライ」



あなたの名前はライよ。




そういうと、エルは扉を開けて
ぼくにどうぞと合図をした。




ようこそわたしたちの秘密世界へ♡





ライは背筋がスッとする感覚を覚えた
この先になにがあるか
行けばわかる





自分のバカさに寒気半分、
あとは未知の勇気に敬意を半分




半分半分の気持ちで
ライは扉の先へと一歩を踏み出した。
























現実に戻って....

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