最近の、私が定期的に通っている

個人医院での出来事です。

 

 

その医院は、元大学教授だった

院長が定年になって始めました。

 

 

今でも、週1回は大学病院で手術を

しているので、バリバリの現役ですが

ともかく個人医院です。

 

普段は手術とかありません。

 

 

その日、私は順番待ちをしていました。

あと二人ほどで呼ばれるところでした。

 

もうすぐ呼ばれるな・・・。

 

そう思っていた私や、他の10人

くらいの患者が待つ待合室

正面に、手術着姿の院長が

突然現れました。

 

 

そして、私たちに対して

 

 

「急患がいて、これから緊急で手術を

しなければならなくなりました。20分から

30分ほど待ってくれませんか?」

 

と自分で説明をしたのです。

 

もちろんだれも何も言いません。

 

しばらく診察は中断して、急患の方

の手術が始まりました。

 

 

 

 

ふ~~ん。リーダーシップと

何の関係があるの?

 

こう思われた方もいるかもしれません。

 

私は、この小さなエピソードは

真のリーダーシップとは何かを

考えるための材料としてうってつけ

だと思います。

 

 

今からその理由を説明します。

 

 

まず、院長は、その説明を自分で

行いました。

 

ただでさえ待ち時間が多いその病院

で、いつもより20分から30分余計に

待って欲しいという説明は、非常に勇気

がいると思います。

 

下手したら、クレームを言う患者もいる

かもしれません。

 

ネガティブ対応になります。

 

 

その医院には受付に女性が2人います。

2人とも、とてもしっかりした人でそのような

ネガティブ対応も十分にこなせる人たちです。

 

彼女たちに説明を任せることもできたと思います。

 

 

しかし、院長はそれをしませんでした。

自分で説明をしました。

 

患者からのクレームが予想されるような

場面で、逃げなかったのです。

 

部下に任せることをしなかったのです。

 

 

私は、トラブルやクレームの対応を自ら

行う、というのは優れたトップの条件だと

思っています。

 

 

マイナス事象から逃げない。嫌なことは自ら対応

する。これは、リーダーとして非常に重要だと

考えています。

 

 

 

 

いいときだけ前面に出てきて、悪いことが

起きると部下に任せたり、部下のせいにする

ような上司では誰もついてきません。

 

 

むしろ、プラス面は部下に花を持たせ、

マイナス面の責任は自分で取る、この

ような姿勢がリーダーには求められます。

 

 

それだけでなく、クレームの相手方もトップが対応

することで真剣さを感じ、収束の方向に向かわせる

1つのファクターになるのです。

 

クレーム対応する際は普段付き合って

いる役職からワンランクないしツーランク

上げるのが鉄則です。

 

普段は課長クラスの付き合いなら、

部長やその上。

 

普段部長クラスなら、役員やトップ。

 

これがセオリーです。

 

 

このような点で院長の対応はリーダーの模範でした。

 

 

 

2点目。

 

院長は「急患の手術をする」と、事実を

ありのままに説明しました。

 

 

マイナスの説明を行うとき、人は

粉飾しがちになります。

 

つまり、あいまいにしたり、少し脚色したり

してできるだけマイナスイメージを

薄めようとします。

 

 

この場合でも、院長は違う説明が

できたかもしれません。

 

 

しかし、これは逆効果です。

聞いている方は、何となくわかる

ものです。

 

脚色された説明を聞かされた

方は不誠実さを感じます。

 

クレームをあおることに

なりかねません。

 

 

隠し事をせずに、ありのままの事実を

説明する。これもネガティブ対応の

鉄則です。

 

 

この点でも、ありのままに説明する

院長の対応は、ネガティブ対応

をする際のリーダーの模範となるものでした。

 

 

 

 

 

さて、ここまで読んだリーダーや管理職の方。

 

勘違いをしないで欲しいのです。

 

私はネガティブ対応は自分でやるべきと

言っているのであって、部下に仕事を任せては

いけないと言っているわけではない

のです。

 

むしろ、部下には積極的に仕事を任せるべき

です。

 

任せなければ人は育ちません。

 

この点は今日のテーマではない

ので、機会を改めて書きたいと思っています。

 

 

 

 

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