おはようございます✨

占い屋🔮 リーリエ リリー🎵

百合音です😄💛

 

今日は、掌編(ショートストーリー)を一編

書いてみました。

どうぞ👇

 

■美しきもの

 

砂漠に流れる川沿いにある、ある街の露店市。

砂ぼこりの舞う大通りを、老いさばらえた、老婆がヨロヨロと歩いてきた。

 

幾日も、屋根のあるところで過ごていないのか、真っ黒に日焼けし、ところどころにこびりついた泥は、すっかり皮膚に張り付いている。 雨が降ったのは、もう、1週間以上も前。老婆はそれにも気づいていないようだ。 脂っけのない白髪は、あちこち泥と絡まって、膨れ上がっている。 だが、丁寧に櫛(くし)けずると、半分以上はごっそり抜け落ちてしまうだろう。

 

「またお前か! 商売あがったりだから、失せろっ!」

老婆が、道端のパン屑を拾っていると、パン屋の店主が出てきて、水をかけた。

けれど、老婆は微笑んでいた。

 

「きったない乞食だよ! あ~、臭う臭う!あっち行ってちょうだい。ほら、これをあげるから!!」

少し大きな家の召使が、老婆を追い払うためにパンを投げた。

老婆はそこでも同じように微笑んだ

 

「おまえ! これ、どこで手に入れたんだ!」

荒くれたちが老婆を囲み、難癖をつけ、こづき、憂さ晴らしをし、

老婆の食べかけのパンを奪った。 

 

荒くれ者が立ち去った後には、

老婆を打った、木の棒が転がっていた。

 

あちこちから血を流し、コブや青あざだらけになりながら

棒切れを支えに、老婆がなんとか立ち上がった時

すでにもう、日は暮れかけていた。

 

老婆はなぜか微笑んだ

 

「私の施しを下さった、パン屋さん、大きな家の召使さん、杖をくれた皆さま。

今日もこんな私に目を留めて下さってありがとうございます。 皆様の施しのおかげで、今日も生きておられます。 今日、私に言葉をかけて下さった方に、永遠の祝福をお与えください。出会って下さった方に大いなる福音を」
 

そうして老婆は、誰も来ない、オリーブの木の下でしばし身体を休めた。

 

オチもなにもない、

コレだけの話です

 

ということで

今日はこの辺で

Have a nice day💛