2011年6月
新しいアパートに引っ越した私は,ようやく部屋を片付けたところだった。
心身ともに疲れていたが、Dが優しくなっていたので、ありがたく,
すこし変だなと思いながらも,幸せを感じていながらすごしていた。

二人でキャンプへ行くことになった。


夏休みに私の英会話教室の生徒を連れて行くキャンプを企画しよう!と


はりきっていた私たちは,下見をかねてまだ6月だったがキャンプ場で


テントを張った。


キャンプでは楽しかった。


しかし,少しでも意見が合わないと,文句をいわれたり,


キャンプ場を決めることか何のことだったかわすれたが,


「もう君はもうすぐ40歳で頭が固くなっているから,柔軟な発想が出来ないんだ。」


とか言われた。


理由は,私は生徒たちの楽しめて安全なことを一番に考えていて,


完全にD頑固に彼の意見を通そうとしていたことが発端だったから、


全く納得できず、大変嫌な思いをしたことは覚えている。




ある小さな滝へ行ったら,「ここで泳ごう」という。


そこは,山の中の有る村で


「ここ神聖な場所と言われていて、なにか神を祀っているということが立て札に書いてあるから無理だよ」というと,


「そんなこと関係ない。さあ,泳ごう」


「いや,そこは地元の人を尊重しないと」と言うと,


「ばからしい。日本はあほや!お前も石頭だ」というD


そ,そんな。


彼は,キリスト教の妄信者である。


全能の神は,絶対であり,その神こそが,


地球を造り,いや宇宙を造ったと信じている男だ。


人間は神の創造物で,アダムとイブがはじめの人間だと信じて疑わない人である。


「環境問題は人間が原因だと思っているのか!?あれは神の人間への怒りだ!」


「宇宙が無からできたと思っているのか!!」


猿人とか,進化論は無視であります。


温暖化も神が怒りで起こしていると主張するD




しかし,それは彼が信じる宗教。自由です。


そういった考えをもっているなら,なぜ他の国の他の宗教を尊重できないのか。


西洋だけが全てではない。


彼はアメリカから遠く日本にいるのである。




キャンプ中,ひとつなにかやろうとすると,もめる。


私が行きにガムを買おうとすると,「環境破壊だ,何処に捨てるんだ」


「のみこめばいいじゃん」


「体に悪いぞ」


「・・・」




包丁やまな板,塩・こしょうを部屋から持ってこうとすると,


「それはホームセンターで買うから,持っていくな」


「買うなんてもったいないから,いいよ,持っていこうよ」


「俺の言うことを聞けないのか」


「・・・・」




ちいさな持っていくものひとつでも,Dが気にくわないと持っていけない。


食器を洗う石けんやたわしは要らないと言ったりする。


油を使わないし,環境にわるいから使わない,とのこと。


絶対にいるとわかっていたから,私がこっそり持っていった。


向こうでは,あると使えるから,結局使うのだ。




ほんとに気難しくて,すべての準備は直前(当日)にしかしないから,


忘れ物や足りないものが多い。


「前もって準備しよう」というと,「いやだ」という。


そういった前もった準備をする行動は嫌いだと言う。


わけわからん。




包丁やまな板,箸やフォークとか紙皿とか,


塩こしょう,ケチャップや調理器具(お玉やしゃもじ),ふきんなどは


買わなくても,家から持っていけばよいもの。


どうしても買うなら百円ショップで買えば安いようなものでも


田舎の道中のホームセンターやスーパーで買えばいいと言って聞かなかった。


全て購入してずいぶん高くついたし,そこでの長時間の買い物の時間も無駄だった。




支払いは教室もちである。


なんでもかんでも買おうとして驚いた。


そのホームセンターでテントも購入した。


自分だけのお金ならまだしも・・・




下見キャンプでは,調理して寝て、ちょっと水浴びをして,


キャンプ場や工房や山歩きの場所や見所を見学して,


帰宅した。


嫌みもさんざんだったけど,楽しいこともあって,それなりに楽しんで帰宅した。




帰宅後、彼はいろいろ計画しだした。


このキャンプをアメリカンキャンプとして,アメリカっぽくやるという。


おもしろそうで,楽しみにしていた。


私も案を出し,15人の子供たちと計画を練った。




しかし,彼は,自分が企画を考えたくない時は全く話を聞かないので、


こちらの意が全然伝わっておらず,生徒らががっかりした。




何でもかんでも直前(道中に15人の生徒連れ)に買う


と言って聞かず,


私は皿やコップや,箸等をこっそりと前もって買い物に行っておいた。


行き道にスーパーに寄って買い物をして,ずいぶん無駄な時間をすごした。


生徒たちをぞろぞろ連れて行けば、長くなる。


ホームセンターへ行く時間がなくなり,私が準備していたもので


間に合った。




行く前に,予算をエクセルで打ち出せと言った。


タイピングで打ち出していると,


見にくいから,こうしろ,ああしろと言ってくる。


私はこうこうしてやろうと思っているのだけど・・・,と違うフォームを提案した。


ばあああああん!!!!


音を立てて,立ち上がり


「俺の言うことが聞けないなら、もうこの企画はやめにする!!!!」


「俺の企画だぞ!そんな企画書は見にくいと言っているのだ!!!」


「もういい!お前はいうことをきかない!やめだ!!!やめだ!!!」


と言われ、私が泣いて懇願し,謝るまで責められた。




なぜこんなにスムーズにいかないんだろう。


なぜ彼がこんなに小さなことにこだわったり、文句を言ったり,


ルールを作ったりするのかが不思議で仕方がなかった。


いつも驚きだった。


今までにこういった人に出会ったことがなかった。


私が彼の脳で,彼の手足でなければ,許されなかった。


すべては彼の許可がなければ物事は進まないという世界だった。



続く 「キャンプ2」へ




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