立ち読みして一目惚れで購入。

 

 以下メモ。

 

 

 プラトンのイデアの説明でよく例に出される「直角三角形が・・」だと、イデアの意義は分かりにくい。

 正誤が曖昧なものにこそ”イデアがある”は力を発揮する(真善美など)(p86)

 

 アリストテレスの現実態は広義と狭義がある。

 広義には、運動変化で目的は外にある(家を建てる)

 狭義には、目的を含み時間の流れを超えている(見ている、生きるなど)(p97)。

 

 エピクロス派の<平穏な生き方>という発想は、その前のデモクリトスの原子論を受け継いでいる(魂も粒子でできている。粒子によって魂が攪乱されないように刺激のないところで生きよとした p102-103)

 

 カソリックの発想は「申し訳ない」=懺悔、東方正教会は本来的に人間は神の栄光をもっており、神に近づこうという発想=神化テオーシス(p136)

 

 聖霊はキリスト以後の救済を担っている。だから父、子、聖霊は同格(p143)

 

 アヴィセンナは<存在が本質に先行する>と考えた(!サルトルの千年前 p161)。

 

 スコトゥスにとって神は存在する(存在の一義性)

 そして存在は「無限なる実体の海」(神は世界そのもの。スピノザみたい。p164-166)

 

 ペトラルカの批判:スコラ学者は動物や生物の性質を知っているが、人間の魂のことを考えていない(精神医学の現状のよう p197)。

 

 フィッチ―ノ:「プラトニック・ラブ」概念を提唱(エロス+アガペー p209)

 

 ピーコ:近代的な自由意志論を論じた(p219 ルネッサンス哲学は面白い!)

 「マギア」は、古代ペルシャ時代は「神官の知恵」という意味だった。

 それをピーコは「自然魔術(自然のなかに隠れているものを明らかにすること=科学と同じ発想だが、ヤスパースはこのことを知っていたのだろうか?p221-222)」と概念化しなおした。

 

 

 面白くて面白くて、週末、ずーっと読みふけって1日で読了。

 Ⅱ、Ⅲも購入することに。

 

 

 

斎藤哲也編:哲学史入門Ⅰ NHK新書、東京、2024