乱歩の若い時代を描く。面白そう!

 (若かりし頃の平井太郎さん。NHK番組発掘プロジェクトHPから)

 

 妻が録画してくれていたので見ました。

 

 最近、読んでいる小説が、中勘助、野上弥生子、宇野浩二と大正時代から活躍していた方か、森鴎外のような大正時代まで生きていた方ばかりなので、正直、ほとんど知らない大正時代に興味がわいていたところでした。

 

 欧化されて45年以上たち、御維新の混乱も昔話、東京の風俗もインフラも完成度が高くなっていたのではと想像します。

 それに日露戦争後に国内で湧き上がった不満も、約10年過ぎて、これも昔話。

 ほどなくして起きた第一次世界大戦で荒廃したヨーロッパの地位が低下し、日本は戦勝国の一員だったこともあって、世界の中の地位が相対的にあがった時期ではないかと思います。

 もちろん経済格差はあったでしょうが、少なくとも都市部で高等教育を受けた人たちは、自国に対する(自分たちに対する)誇りをもち、欧米に対する劣等意識を払拭しつつあった時代ではなかったかと。

 これから勉強します、大正時代。

 

 ただ、わずか10年ほどで、関東大震災、金解禁、世界恐慌と坂道を転げ落ちる。

 この<文化が華やいだ束の間の平和>というのがグッとくる。 

 

 ドラマなので時代考証は「それなり」なのでしょうが(マスクはスペイン風邪ですよね)、少なくとも第一話は実際にあった事件を絡めているので、今後が楽しみ。

 

 妻は映像を見ながら「ここ、マカオ?」と呟いていましたが、細かなことは横に置いて、まだ貴族がいて、政商や軍人が暗躍し、しかし民主主義が完成していく過程にある、魑魅魍魎が跋扈していた時代の雰囲気だけでも楽しみたいです。

 

 ただ、後に有名になる作家が若かりし頃、ある人物にワトソンよろしく連れ添って、その経験を後に作品にするって、どこかで見たような気がするのですが、思い出せません。

 

 

 

 ところで、”D坂”にある”古本屋”に平井青年が下宿しているという設定は「オッ!」という感じですが、そこの奥さんがやたら妖艶で(演:本上まなみさん)、ラストでご主人が机の上で縄をいじっているシーンは、さらに「オウ!」という感じでした。

 

 奥さんの腕やうなじあたりに薄く青あざがあると、もっと「オウ!?」という感じで良かったのですが、刺激が強すぎるか。

 

 

 

NHK土曜ドラマ「探偵ロマンス」 2023年1月~