備忘録。
解決志向型の治療法は何度か本で読んだけれど、技巧的な気がして、でも実際にやってみると難しく、「自分に合わない」と勝手にスルーしていた。
他人のスーパーヴァイズ(以下SV)は(見聞きはもちろん)読むだけでも参考に。
てか、この数年、読むのはSV本ばかり。
前半は東先生のSV。
「具体的にどうするかではなく、面接の中でのやり取りでそれを共有できているかが大事」(p52)
最初、「感情」を共有することが大事という話かと誤解していた。
私の経験では「えーそうかなあ」だったが、改めて読むと「どうするか」を共有するとおっしゃっている。
「どうすればいいかを一緒に探しましょう」という態度が大事と。納得。
「まずは今を認める」そして「その人が変化したいのか不変化のままでいたいのか」を考える(p117-118)
問題が無さそうなら否定的なことでも「それでもいい」と考える(p117)
問題の矛先が自分に向いている人は否定を肯定に、他人に向いている人はその人自身の問題にしていく(p74)
なるごど!と思うと同時に、後者は難しい気が。
後半は黒沢先生のSV
これが私に一番フィットした。
問題と解決は関係ない(p194)
1)リソースを捉える、2)リソースを利用する、3)その人の望む未来像に向かう(p196)
1)うまくいっているのなら変えようとしない、2)一度やってうまくいったら、またそれをする、3)うまくいっていないのなら違うことをする(p227)
これがうまくいかないんだ・・・・
私が解決志向型がへたくそだった理由が、第7章以降を読んで判明。
「そうなると、どうなりますか?」「そうすると、何が違いますか?」を、とにかく聞き続ける。
いきなりミラクル・クエスチョンとか技法を(苦し紛れに)出さない(知識だけで知っているとこういうことになる)。
膠着した時に話の方向性を変える「ため」に使う。
話を聞き続ける。事情をクリアにするために質問し続ける。
すごく当たり前なことです。
お恥ずかしい。
そして、ちょっとでも解決に結びつくことが出てくればスルーしない。
問題に注目しだしたら「そういうことがあると辛いですよねー、ところで・・・」と話を解決に戻す。
焦らない。
最後に東先生の名言
「面接はいかに早くこちら(治療者)の気持ちが楽になれるかが大事」(p64)
こんなことが言えるようになりたい。
宋大光、東豊、黒沢幸子「もっと臨床がうまくなりたい」
2800円+税
遠見書房
ISBN 978-4-86616-118-1