あけましておめでとうございます。
年末はバタバタして本も満足に読めず。
内田百閒とか、内田百閒とか、内田百閒を読みました。
「もる」がどんな動物か気になって仕方ないです。
あとはヤスパースと神学者の本とか。
ずっと気になっていたブログのデザインをいじってみました。
オッサンになるとこういうことさえ時間がかかります。
本棚の写真が解説本ばかりでみっともないと見栄っ張りな私の一部が不満をかこち気味なのですが、ものぐさな方の私が勝利し、もうこのままにします。
さっき家族の買い物に付き合っている時にメールで届いたAmebaの占いをやったら、結果だけでブログが更新されてしまいました。
こういうシステムなのか。
オッサンにはわからんのだよ。
帰宅してから文章くっつけています。
\2022年のあなたの運勢/
だそうです。
星占いをテレビで見ても、だいたい6位とか7位だし。
まあ、私の人生はこんな感じです。
しかし50になって「かわいい」が溢れてもなあ。
パーティー、嫌いだし。
美容と無縁だし。
髪の毛は還してほしいけど。
あ、そういうこと?還してもらえるの?(←たぶん違う)
話は変わります。
期待していた「倫敦ノ山本五十六」。
やっと録画していたのを今日、見ました。
面白かった!!!
NHK HPから
この題材、ドラマだけではもったいない。
交渉の様子をもっと丁寧に描けば、十分に映画化できると思います。
日本史では「軍縮会議で英米日でX:X:Yの比率になった」くらいしか教わらなかった。
本当はこのような動きがあったとは。
歴史は人物中心で教えた方が絶対面白いですね。
高校時代までは、英米がいやがらせで日本に軍縮を迫ったのかと思っていました。
当然、そんなんじゃない(そういう要素もあったかもしれないけど)。
まず軍縮は国家予算にゆとりを作る出す。
また日露戦争経験者の山本は戦傷で左手指を切断し、ドラマでは日露戦争時の巡洋艦で戦死した部下の氏名を載せた手帳を肌身離さずもっていた。
愛之助さんが演じていた堀悌吉は日露戦争で戦闘の悲惨さを、また日露戦争がギリギリの勝利だったことを肌感覚で知っていた。
だから二人とも大国との戦争は回避したいと考え、軍縮を継続したかった。
そういうとハト派平和路線のようですが、もちろんそんな空想的な話でない。
二人とも軍人ですから、自衛に十分な程度の軍備は必要だと考えていた。
それくらいまで軍隊の規模を小さくしていいと考えていた。
つまり当時の日本は自衛に必要以上の軍事予算を計上していたのでしょう。
また当時の海軍内では艦隊派と条約派で綱引きがあった。
そういう派閥ができたのは日露戦争が原因。
あの「例外状態」で海軍省と軍令部の二重構造にせざるを得なかった。
それを戦後、元に戻さなかった。
この辺の事情や派閥争いがもう少し描かれると面白かったと思うのですが、そうなると3時間でも足りませんね。
私がいまだに疑問なのは、前線に出ていた軍人は偉くなると開戦に慎重な軍人になるのに(パウエル国務長官とか)、当時の艦隊派のエライ方々(≒年寄り)が、どうして軍拡主義者だったかです。
軍令部は前線経験者が少なかったのかなあ。
それにしても政治の延長に戦争があるという18~19世紀の議論がガン無視で、海軍の都合で政治交渉が決まるって無茶ですよね。
山本五十六はきちんと政治判断を優先させようとしているのですが、当時はその政治の方が頼りなかった。
まま、まともにやろうとすると暗殺されてしまったわけですが。
それはともかく、今回のドラマで初めて知ったのが、ロンドン軍縮会議は、日米、英米、日英と、三国同時でなく1対1で予備交渉していたんですね。
で、日本に対する英米の態度いは温度差があった。
そして日英で話がまとまる可能性があった、それも幻の五十六案で・・・・
というのが本ドラマの肝。
本当に残念。
世界恐慌+第一次世界大戦で戦費を回収しきれておらず、まだ立ち直っていないヨーロッパ、特にドイツでヒトラーが全権委任法で総統になって怪しい動きを見せていた当時、イギリスはとにかく国内立て直しが急務で、極東アジアは正直、どうでもよかった(たぶん。この辺は描かれていない)。
一方、ヨーロッパに莫大な戦費を貸していて、その返済金で潤っていたアメリカは、太平洋の反対側で満州国なんか作っちゃった日本をかなり警戒していた。
時期的に恐慌のダメージがもっとも厳しかったころだけど、それよりは日本の力をそぎたかった(たぶん。やっぱりドラマでは描かれていない)。
英米の足並みが揃っていないことを嗅ぎつけた山本は日英案で固めてしまい、その後、アメリカを強引に説得することで「軍縮で合意した」が「英米の提案ははねのけた」という一挙両得を狙ったが、本国の返事は・・・・。
堀悌吉と山本五十六のその後を考えると、本当に切ない。
悌吉は人事で海軍から追い出される。
五十六は戦争してはならない、特にアメリカには勝てないと思いつつ、「上層部が決めたことに従うのが軍人」と戦争反対という私心を抑えて、連合艦隊司令長官として戦争に赴く。
「俺はもう帰れないだろうなあ」と悌吉に一言残して。
このドラマで唯一の注文。
条約が決まり駐在武官をはじめとする海軍関係者が騒然とする中、「政治が決めたことに従うのが軍人だ」と制止し、シビリアン・コントロールに自覚的な軍人(!)として毅然と振舞った山本五十六の描写も欲しかったです。
慎吾ママ(私世代はドク、またはニンニンなハットリくん)が、こんなに眼光鋭く動じない軍人を演じるようになったとは・・・
しかし、2021年が開戦80年ということを意識して、様々なドキュメンタリー、ドラマを企画した放送局がたった一局だったことも驚きです。
やはりあの放送局は必要なんじゃないでしょうかね。
なんでも「ぶっ壊せ」っていう人いるけど、それでどうしたいのでしょう。
「ぶっ壊せ」は威勢が良くて、かっこいいですよ。
でもそれって、このドラマで「わが連合艦隊は東洋一でなければならんのです!そんな弱腰でどうするのですか!」と青筋たてていた喚いていた人が、威勢が良くて気骨があるように見えたのと相似だと思うんですよね。
要はその先を見ていない。
あ、別に私は左でも右でもないんです。
左にしては軍事オタクだし。
右にしては戦争嫌だし。
ただ根性がひねくれているだけです。
しかし、昨年は草薙慶喜に続いての香取五十六。
見事でした。
あ、平岩紙さんも綺麗だったなあ。
今年の大河ドラマは頼朝時代の北条家がテーマですね。
期待大です。
個人的には石切梶原と、千葉常胤の活躍を見たいです。
相馬とか出るかな。
NHK「倫敦ノ山本五十六」 香取慎吾主演 NHK 2021年12月30日放送