先日の読売新聞に銀行は顧客の利益第一に変わるべきという題の社説が出ていました。
貸出金利が伸びない中、収益を上げるのは各種手数料、手っ取り早く稼げるのは投資信託販売の手数料です。そのために頻繁に買い換えを勧める、自社絡みの投資信託を強く勧める等の行為が排し、顧客の利益を第一に考える方向で行かなければ行けないという趣旨でした。
果たして銀行はそのように変われるでしょうか。残念ながら難しいと言わざるを得ません。
理由は簡単で、自分の頭で考える経営をした事が無いので発想の原点を持っていないからです。長らく金融当局に箸の上げ下ろしまで指図され、規制の中で守られ、その上、床の間をせにした営業と言われていたのです。
バブルが弾け、経営困難になって国費が投入され、厳しい人員整理、配置転換が行われたのですが、経営の仕方(縛りと言った方が良いでしょうか)は何一つ変わらず、横並びで都銀と地銀、信金などのランク付け、担保主義は何一つ変わっていません。
顧客の利益が第一で有ることは商売の基本中の基本、根本なのであり、何を今更、お題目にする項目ではありません。リスクテイク出来ない企業にしっかりした利益が出る訳はありません。
試しに、投資信託や外貨預金を勧めに来た行員さんに突っ込んだ質問をしてご覧なさい。
キチンと答えられる人は極々少数です。社内の講習会で得たであろう軽い知識しか持ち合わせていないと思われます。自分の商品をとことん知らずに売る態度のどこを叩けば顧客の利益第一などと言う言葉が出てくるのでしょうか。
自分で扱う商品に対しては徹底的に知ること、その上で顧客に合った商品を提案すること。
営業のイロハです。