看護師の離職予防に | 手術室発、日本の医療へ

手術室発、日本の医療へ

毎日の麻酔業務におけるミクロなことから始まり、そこから浮かんでくるマクロな日本の医療全体についてまで、感じること、考えることを書き残していきます。専門的なことも書きますが、一般の方にも読んでいただければと思います。

最近は、どこの病院も看護師の獲得には力を注いでいる。

それなりの労力と、お金をかけて集めて来た看護師も、これまでは、うちの病院では
離職率が20%を超えていたという。

これでは、まるでザルであって、募集に使ってきたお金のムダももちろんだが、
病院としての業務も滞り、看護のレベルアップ、病院の実力アップにも程遠かったことと思う。

ところで、数年前から病院の執行部が総入れ替えとなり、看護部長も外からベテランの方を招いた。看護師の募集にももちろん力をいれるが、離職率の低下にも力を注いだ結果、昨年は、5%程度の離職率になったそうだ。

しかし、ここにきて、私の職場である手術室の看護師が相当数辞めたがっているという。
もちろん、手術室は、病院のなかでは基準が引かれていないので、これまでもいつも充当が後回し、いつも、かつかつの人数で回し、パートさん、派遣さんに頼る率も高い。

緊急手術も多い当院としては、手術室看護師にかかる負担も半端ではなかった。

などなど、上げればきりがないほどの退職の理由はあるのだが、
ただ、これほど大量の人数が、しかも常勤の看護師でまだ入って1年に満たないものが
そろって辞めたいというのには理由があったようだ。
特定の医師からの言葉の暴力が原因と。

これは、これで、非常に原因としては、重大なので、ただちにあらためてもらうようにすることがまずは先決であるが、
私の目から見ると、それが根本の解決にはならないことが以前から感じられていた。
当の医師に限らず、外科系の医師からも、看護師のレベルの低さに相当のクレームがあり、
多かれ少なかれ、常に怒鳴られっぱなしの状態なのである。

つまり、指導者不在のなかで、いきなり現場に放り出されるので、特に慣れない新人たちが、
現場の荒波にいきなり曝されて、溺れている状態なのである。
それは、みていてもあまりにかわいそうであり、放置しがたい。

本来は、医師が関与せずとも、看護部の問題として優秀な指導のできる看護師をリクルート
することで解決できるのかもしれないが、我々医師としてもできることがあれば、協力しない手はないだろう。

ということで、麻酔業務に関するレクチャーを最近はじめることにした。
これまで、自分の部下たちを指導するのに精一杯であったが、
現状を見るに、少しは、職場の他職種にも目をむけていかないといけないと思っている。

少なくとも、麻酔業務、あるいは手術中の流れ、術中の管理についての理解を深めてもらうことで、すこしでも興味をもってもらい、また、仕事の上でも、よい協力体制ができればと思う。

これにより、看護師のスキルアップ、モチベーションのアップ、
仕事への誇りに結びつくのであれば、なによりの離職防止策にもなるだろう。
それは、病院全体の実力アップにつながり、病院全体の評判のアップにもつながるものと
信じている。

先日もレクチャーをやったが、ある看護師からは、「めちゃめちゃわかりやすくかったです」と好評を博した。果たして、これが彼らの実務にどれだけ役に立つか、あるいは、モチベーションのアップ、やめようと思う気持ちを変えさせることができるかは、まだ未知数であるが、ある程度の手応えを感じるのは確かだ。

こうなったら、看護師さんも巻き込んで、手術室の医療レベルアップと行きましょう。
目指せ日本一の病院!^^
(ちょっと話がでかすぎるかな)