第18回公演 ダブルアルバム

アルバムの中の母はとても若く、はにかんだ笑いが甘く匂う。
もうひとりの母は、屈託のない笑顔がはち切れそうに若く、まぶしい。
私達が生まれるちょっと前だ。
頁を繰ると、お揃いの正装の少女の私たちが少し緊張して座っている。父のお葬式の日。
…どれもがずっと遠い昔。
気がつくと私たちは母の年をとっくに追い越していた。
ある日、自分の中に母の姿を感じた時、知らなかった母の痛みに突然触れたような衝撃は何だったのだろう。
夏のある日 姉は「ある決意」を妹に告げる。本気にしない妹、訪ねてきた初老の男。
現在と過去 共に夏の ひどく暑い ある「特別な一日」が交錯していく。
思いがけない事から食い違っていく人生の不思議…
アルバムを開いて思い出に出会うのは とても懐かしく そして少し切ない。

姉妹それぞれの生き方、二人の愛憎の確執を通して、微妙な心理の揺れ動きをコミカルに、ちょっぴり悲哀を挟んで描く。


原案
グループ る・ばる
永井 愛(二兎社)
演出
松本 祐子(文学座)
出演
岡本 麗 半海 一晃 田岡 美也子
日時
2011年9~10月
会場
赤坂レットシアター

美術:乘峯 雅寛
照明:渡邉 雄太(ASG)
音響:藤平 美保子(T.E.S)
衣裳:タカハシ 佳
衣裳進行:柿野 あや
演出助手:日沖 和嘉子
舞台監督:古屋 治男

宣伝写真:塩谷 安弘
宣伝美術:鈴木 勝(FORM)

制作:有本 佳子 津田 はつ恵(プリエール)
票券:松本 恵美子

助成:芸術文化振興基金

主催:グループる・ばる



「ダブルアルバム」は、何てみずみずしい勢いにあふれてるんだろう。手前ミソながら、20年近くも前の台本を読み返してそう思いました。この作品から、私は「戦後生活史劇三部作」を書く発想を得たのだとも。
る・ばるの皆さん、今さらながら、ありがとう! ドキドキしながら初日を待っています。

作・永井愛


る・ばる公演に女優が二人、というのは、今回で二度めだ。
一度めは、岡本が参加出来ず、私と田岡で二人の芝居を企画し、永井愛さんにお願いをしてこの「ダブルアルバム」を演ったとき。しかし今回、私が参加不可能のためにこのお芝居を上演するわけではない。この芝居は、ある意味、る・ばるの原点となった芝居であり、ずっと再演を望まれていた。
今回、松本裕子さんと半海一晃さんの強力な力を借りて、「ダブルアルバム」がどう生れ変わるのか、とても楽しみだ。

グループる・ばる 松金よね子


地方公演情報

伊勢崎公演
日時:10月4日(火)18:30
会場:伊勢崎市文化会館 小ホール
主催:いせさき演劇鑑賞会
新潟公演
日時:10月5日(水)18:30/6日(木)13:30
会場:りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)
主催:新潟演劇鑑賞会
長岡公演
日時:10月7日(金)13:30/19:00
会場:長岡リリックホール シアター
主催:長岡市民劇場