第7回公演

ダブルアルバム 改訂版

2度目の結婚がうまくいかず、妹は姉が一人住む実家に戻ってくる。
二人は異母姉妹。姉は妾の子である。どこまでも相対する二人。
姉は堅実なオールドミス。妹は奔放で気ままな出戻り。
姉は妹の最初の結婚の時の息子を育て上げた今、自らの人生を振り返り、 ある決心を抱いていた。
「私死のうと思うの」、姉が自殺予告をすることから、この日は特別な 夏の日となる。
本気にしない妹、そこへ訪ねてくる昔使用人だった初老の男。二人の それぞれの母たちのドラマをそばで見続け、関わってきた男である。
姉妹の確執、対立が浮き彫りになる中、物語は40年前の夏、「母たちの 特別な一日」と現実が交互に織りなし、思いがけないことから食い違っていく 人生の不思議がつづられていく。
人は人を許せるのだろうか、がテーマ。常に欲しいものは手に入れてきた妹。 欲していても敢えて面に出さず可能性を狭めてきた姉……。
それぞれの生き方、二人の愛憎の確執を通して、微妙な心理の揺れ動きが コミカルに、ちょっぴり悲哀を挟んで描く。
松金と田岡が、姉妹とそれぞれの母親の二役を、北見も現在と40年前の男を 早変わりで演じる。
二人の母親は、その娘とは対照的な性格で、女優は全くタイプの違う二役を 早変わりで演じる構造になっている。

日時
1994年2月
会場
THEATER/TOPS 他
原案
グループる・ばる
作・演出
永井 愛 
出演
松金 よね子
岡本 麗
田岡 美也子
北見 敏