高校2年生。

 

普段、私とは数学の予習復習を授業で行っている生徒さん。

 

 

 

生徒さんのためなら何でも屋になります。

 

専門外の国語に一緒に取り組んだ時期もありました。

 

(国語は自分の大学受験で取り組んだ程度の知識経験しかありません。)

 

 

 

『夏休みで時間もあるし、何かやりたいことある?』と聞いてみました。

 

『英語の長文全然わかんないんだよね…』とのこと。

 

 

 

1月の模試の長文を引っ張り出して、また聞いてみる。

 

『単語?文法?』

 

『わかんない単語だらけでいつも最初の方しか読んでないんだよね。読む気にならない。』

 

 

 

うんうん。

 

 

 

まずは、どのぐらいの単語がわからないのか視覚化。

 

『第一段落、はっきり意味が分からないものに印付けてみて!』

 

1文で1個の割合で印がついていく。

 

 

 

『おー、けっこうあるね…』

 

 

 

すると、突然彼のやる気スイッチが入ったのがわかった。

 

単語を何とかしたいと数か月前に購入していた「英単語Stock3000」を取り出し、

 

片っ端から意味を調べていく。

 

そして、単語帳にどんどんマーカー。

 

 

 

せっかくなので私からもアドバイス。

 

『それ名詞だから動詞も一緒に覚えるとラクだよ。』

 

『その反対語もセットで覚えると使えるよ。』

 

 

 

普段メモなんて取らないめちゃくちゃ面倒くさがりの彼が、

 

なんと単語帳に私のアドバイスをメモしている!!!!!

 

やばい、本気だ。

 

 

 

チャンスです。

 

大きめの正方形の付箋を取り出して、

 

『真ん中にドーンと単語書いてみて!』

 

『ちらっとめくったとき見えるように裏に意味を書いて…』

 

『さ、どこに貼る?』

 

『うわ、この意味なんだっけ?って何度も考えられるように、よく目に付くところがいいよ!』

 

ということで彼が選んだのは部屋から出るときに必ず目に付くドアでした。

 

 

 

 

 

 

そしてその3日後の授業のこと。

 

私が部屋に入るなり、すんっごい嬉しそうな顔をして、

 

『先生、月曜日やった単語が夏期講習で出たんだよね!』

 

おー、なんということでしょう。

 

やる気スイッチの入った彼に追い風が吹いていたのです!!!!!

 

『みんなわかってなかったんだけど、俺わかったんだよね…』

 

すんごいドヤ顔笑い泣き

 

『なんか英語楽しくなってきた。』

 

 

 

いい点数がとれた時ももちろんうれしいですが、

 

私はこういう時にとても喜びを感じます。

 

楽しそうな表情にものすごいエネルギーを感じます。

 

評価するための点数に左右される感情よりも、

 

こういう時の感情ってこみ上げるものがあります。

 

 

 

彼のことなので、まあ、そのうちまたこのやる気がしぼんでいく日は来るでしょう。

 

でも、たのしく勉強できたという経験は大事なことです。

 

たとえ長い間続かなかったとしても、

 

こうやって覚えた単語って結構一生モノの記憶になるんですよね。

 

はい、経験者なので分かります。

 

 

 

どれだけ覚えるか、どれだけできるようになるか。

 

ではなく、

 

どれだけもがいたか、試行錯誤したか、

 

この経験が将来彼の力になると信じています。