小学生は勉強を教える以前に、いかに授業に集中させるかが大変です。
はい、本当に本当に大変です。
「先生、今日ね、学校でね…」
「先生、見て見て、昨日これ買ってもらってね…」
好きが詰まった自分のお部屋。
そして、たくさん話を聞いてもらいたい年齢。
家庭教師になったばかりのころは完全に生徒さんのペースに飲まれていました。
何度もおぼれかけました。
授業料をいただいているんだから1分1秒でも早く勉強に集中させないといけない、という自分で自分にかけるプレッシャー。
しばらくして気づいたのが、こちらの都合でコントロールするのは良い方法ではないということ。
しっかり生徒さんと向き合う。
ちゃんと生徒さんを見る。
今では引き出しがたくさんできて、生徒さんの性格やその日の状態で使い分けています。
それでは私がとっている方法のひとつをご紹介しますね。
↓ ↓ ↓
話し始めたら、とりあえず聞きます。
「先生(わたしのこと)、今日ね、給食、パンだったんだけど、開いてね、チョコレートぬってね、余ったから先生(担任の先生)に聞いて、いいって言われたから牛乳パック パカって開けて チョコレート ガーっ入れて こうやって振ってね、ストローさして みんなで飲んだの。ココアみたいだった!」
大事なのはめちゃくちゃ反応してあげること。
「えー!!!なにそれー!?めっっっちゃ楽しそーーー!牛乳とチョコレート混ぜるとココアみたいになるわけー!?」
中途半端はいけません。
思いっきり舞台に立ちます。
そしてここが勝負です。
生徒さんがまた別の話を始めようとします。
「今日ね、ぷー…(おそらくプールに入った話でしょう)」
「ちょっと待って、今の話めちゃくちゃおもしろかった。書いてみようよ!」
いきなり「書いてみよう」って無茶ぶりすぎない!?って思われるかもしれませんが、
「一緒に楽しんでいる雰囲気」と「普段から楽しい遊びを入れる」ことを心がけていれば、
生徒さんは「なになに!?」と簡単に乗ってきます。
ここでのポイントは、自然と集中させるために+αすること。
この日の+αは【左手で書く】こと。
私も一緒に取り組みます。
そして、どんどん夢中にさせるための声がけをします。
「うわあ、この字むずかしい!何この字、全然上手に書けないよ~、ぜったい○○ちゃんの方が上手だわ~。」
(写真 左→生徒さん 右→私)
お互い利き手ではないので、私の方が上手という先入観がありません。
私より上手に書きたいというオーラをめちゃくちゃ感じます。
何度も消して、丁寧に丁寧に鉛筆を動かしているのがわかります。
うるさいのはもはや私の方です。
生徒さんの真剣な顔にはわくわくがにじみ出ています。
口はきゅっと結んでいて、無言。
書き終わったら、利き手でも書いてみます。
いつもより丁寧。
そのあとの教科の勉強も、集中力が続きやすくなります。
一度でも集中状態を体験すると集中する感覚を体が覚えていて、
勝手にそちらの世界へもっていってくれます。
私が楽しいと生徒さんも楽しい。
生徒さんが楽しいと私も楽しい。
そんな授業を心がけています。

