5年半習ったピアノの先生が退職されることになり、レッスンも残すところあと2、3回というタイミングとなっている。

真面目な私はほとんどレッスンで雑談しなかったが、最後なので思い出話などしてみた。


何回も発表会に出させていただきましたね。

私が弾いたなかで、一番先生の印象に残っている曲はどれですか?


先生は少し考えて、

「イタリアンコンチェルトですね」


え、そうなの?

バッハのイタリアンコンチェルトは、2022年、2023年の発表会で第1楽章と第3楽章を弾いた。

特に第3楽章は難しく、練習室にこもって禅僧のようにストイックに練習した記憶がある。

でも苦労したわりにちょっと地味で、お客様の受けはさほど良くなかった。


もっと受けの良かった曲もあるんですが。

幻想即興曲とか。

同じくショパンのノクターン13番も、時間をかけて必死に練習した。

なのに、先生の推しはイタリアンコンチェルト。

さらに追い討ちをかけるように、

「やっぱり◯◯さんはバッハのイメージがあります」。


えええー😱

私、ショパンが好きなんですけど。

いや、バッハも好きですよ。

インベンションから平均律まで、レッスンではいつも何かしらバッハを弾いていた。

バッハが好きすぎてチェンバロまで習ったオタクでもある。

でも、先生にはバッハではなく、ショパンで記憶されたかった。

何なんだろう、この気持ちは。


こう見られたい自分と、実際に人から見た自分は違う。

それは分かっているが、ショパンに片思いみたいでちょっと悔しかった。