山里の村で見たユリの花殻。正式には蒴果。英語ではカプセル。ドライフラワーとしても楽しめそうです。この乾燥したさやの中には100個から、ユリの種類によっては1000個を超える種が入っています。
ユリの花の中心にはとても目立つ雌蕊が1本あり、洋服につくと困ってしまう花粉のつく雄蕊もあります。そして雌蕊の子房の中には種の数と同じくらい、あるいはそれ以上の胚珠があって、胚珠の中の卵細胞がそれぞれ花粉の精細胞と受精して、こんなにたくさんの種ができたということになります。こうしてできたユリの種は薄く軽く、風で飛ばされていきます。しかし、一般には球根で育てるので、球根を太らせるためには、花が終わったら切り取り、種を作らせないのが原則です。
一方、種のできないユリもあります。大きなオニユリは基本的には種ができませんが、むかご(零余子)ができ、球根でも増えていきます。オニユリの葉の付け根に、黒っぽいむかごが見つかるかもしれません。
そうそう、茶碗蒸しなどに入れる百合根もありますね。百合根として食用にするのは、オニユリ、コオニユリ、ヤマユリ、カノコユリの4種類だそうです。
