丁子菊というのだそうです。ぼってりとした可愛い菊です。

 神代植物公園の解説によると、江戸時代に、主に関西地方で作られたもので、花の特徴が香料の丁子(クローブ)の花に似ていることから丁子菊、海外ではアネモネ咲きと言われるものだそうです。朝顔展を見れば朝顔が、カキツバタ展を見ればカキツバタが、東洋蘭展を見れば東洋蘭が、そして、このような菊を見れば、来年は菊を栽培してみたくなってしまいます。このような園芸植物では、江戸時代からの伝統を理解する楽しさもあります。

 

 丁子は、クローブともいわれる花のつぼみを干し、茶色の釘のような形とした香辛料です。漢方でも使い、ポプリなどでも使います。このクローブのつぼみが開いた花と、丁子菊の形が似ているというのですが、どうでしょうか。クローブの花として検索してみた花とは、それほど似ているようには思えませんでしたが。

 ただ、インドネシアモルッカ諸島を産地とするクローブは、日本にも早くから伝わったのは面白いことです。丁子の花をデザインした家紋もあると知りました。なお、原産地のインドネシアではこの精油、丁子油で香りをつけたタバコ(クレテック)が人気で、最近はともかく、以前はインドネシアの空港に降り立つと、このタバコ独特のエキゾチックなにおいがしていたのを思い出します。

 お家でも香辛料を様々に使っておられると思います。どんな香辛料で、どんなところから来たのか、どんな歴史があるのか、小学生も高学年になれば世界に目が向く子どももぐんと増えてくるので、話題にするのはいかがですか。