東京農業大学が中心となって東南アジアの大学、研究機関などが参加する東南アジア国際農学会( the International Society for Southeast Asian Agricultural Sciences:ISSAAS)。昨年は東京農大で開催されましたが、今年はベトナムハノイにある国立ベトナム農業大学the Vietnam National University of Agriculture (VNU)で第31回大会が開催されています。私もほぼ初期から参加してきたので、なつかしくもあり、また、第31回大会(ということは30年も前から....)ということで新しい世代の研究者や学生さんががんばっていることを頼もしくも思っています。

 

 ベトナムにもかなりの回数、調査や講演などで訪問しましたが、その都度、ベトナムコーヒーを味わいました。ベトナムのコーヒーはロブスター種といってやや苦みをともなう風味があるものです。そのため、深入り、粗びきのコーヒーを濃く抽出し、たいていは練乳をたっぷり入れて甘くして飲みます。

 粗びきあるいは中挽きくらいとするのは、このコーヒーフィン(フィルターですね)を使うからです。ここに粉を炒れ、上から押さえてお湯を注ぎ、下からぽたぽたと出てくるコーヒーをカップというよりはたいていは小さいグラスに受け、練乳を入れます。

 

市場で売っている一番安いタイプ。全体に手作り感があふれ、さらに穴の大きさがバラバラで、ポタポタと落ちる速度がスローなものもあれば、あっというまに素通りするようなものもあり、これは旅の思い出にぴったり。

 

もう少し上等のものや、ねじ式のものもあります。

 

 日本で飲むとそれほどでもないのですが、ベトナムにいるときはなぜか数倍おいしく感じ、そのせいもあって、毎回、コーヒーフィンを買ってきてしまいました。持ち帰ってから、飾りにするしかない穴のものもかなりの率であるのですが、それも含めて旅の思い出ですね。

 

 農大稲花小の子どもたちにも、何かの、あるいは、誰かの不出来を笑ったり、下に見たりするのではなく、そのストーリーを楽しめるようなおおらかな気持ちで毎日を過ごしてほしいと思っています。