古米というと、なんだかおいしくないような、有難くないような気がするのであれば、それは大きな誤解です。どんなお米であっても、おいしく食べてほしいと思います。調理法、食べ方に合ったお米はそれぞれですし、保存方法によっても違いが出てくるからです。

 農大稲花小で子どもたちに、新米・古米の体験授業をしたことがあります。以前から保存してある古米と、田奈の田んぼで収穫した新米を使い、表面の酸化の状態を試薬で調べました。古いお米の表面は酸化しているので、ややオレンジ色に染まります。

 しかし、それは表面の話です。お米を研いで、おいしく味わおうというお話もしました。合わせて、新米の定義は子どもたちが考えたように「稲刈りしたばかりのお米」ではなく、収穫した年の12月31日までに容器包装に入れられた玄米あるいは精米のことです。食品表示法に基づいた食品表示基準で、その条件にあっていなければ、「新米」と表示することはできないのです。

 

 季節のうれしさとして新米を味わいつつ、新米と古米をサイエンスで考える機会にもしたいものです。